【日本式医療】「日本式医療」、新たに18件採択/経産省の国際化事業  PDF

【日本式医療】「日本式医療」、新たに18件採択/経産省の国際化事業

 「日本式医療」の国際競争力強化を目指して、経済産業省が医療機関や民間事業者の取り組みを後押しする「医療機器・サービス国際化推進事業」について、2012年度に事業性評価を実施する対象事業18件(採択候補)が明らかになった。採択候補には、公益財団法人がん研究会が姉妹提携関係にある中国・北京大学深セン医院で行う病理遠隔診断サービスの提供事業や、医療法人仁友会による日本型透析センターのタイ進出に向けた調査事業などが選ばれた。経産省から事業性評価事業を受託した野村総合研究所が9月27日に公表した。

 経産省は11年度に、カンボジアで展開中の北原国際病院の高度医療サービス・医療教育提供事業や、中国でのテルモ・東京大による糖尿病治療サービス提供事業など、5カ国で展開中の8事業について事業性評価を行ってきた。今回、新たに18事業を採択したことで、経産省が「日本式医療」を海外に売り込むために事業性評価を行う対象事業は、11カ国・23事業(11年度からの継続事業を含む)に増えた。政府は7月に閣議決定した「日本再生戦略」の中で、日本式医療の海外市場を20年までに20兆円に拡大する目標を掲げており、経産省では対象事業の拡充で市場拡大の足がかりを築く考えだ。

 12年度の採択事業(代表団体)は次の通り。▽イラクでの日本イラク医療協力センター事業(アイテック)▽サウジアラビアでの中東放射線医療センター構想(三菱重工業)▽サウジアラビアでの先進循環器医療製品の普及・医療教育提供事業(大阪大)▽サウジアラビアでの救急医療実態調査(アイテック)▽トルコでの病院PPP整備運営事業の現地実証調査(アイテック)▽ブラジルでの日本式心臓検診システム提供事業(日本光電工業)▽ロシアでの先進医療機器市場調査(住友重機械工業)▽インドネシアでの診療所開設事業(JKR)▽インドネシアでのジャワ島地域専門医療サービス整備の事業化促進調査(システム科学コンサルタンツ)▽インドネシアでの先進的消化器病診断治療のインドネシア・日本ジョイントセンター設立についての現地調査事業(ネクサス)▽ミャンマーでの日本式乳がん診療パッケージ(メディヴァ)▽ミャンマーでの血液業務実態調査(テルモ)▽タイでの日本型(セントラル方式)透析センターの海外展開事業(医療法人仁友会)▽中国での病理診断サービスの国際提供事業(公益財団法人がん研究会)▽中国での日中医療交流研修事業(東芝メディカルシステムズ)▽中国での徳島型生活習慣病検診サービスへの需要調査事業(公益財団法人とくしま産業振興機構)▽中国でのリハビリテーションクリニック・研修センター開設・需要調査事業(社会医療法人財団慈泉会)▽中国での日本式歯科技工サービス・歯科技工教育提供に向けた実証調査事業(ジーシー)―。(9/28MEDIFAXより)

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