【日弁連】日弁連が「患者の権利に関する大綱案」/三井厚労相に提出  PDF

【日弁連】日弁連が「患者の権利に関する大綱案」/三井厚労相に提出

 日本弁護士連合会は10月29日、患者の権利や医療提供体制に関する責任の所在を法律で明文化することを求め「患者の権利に関する法律大綱案」を厚生労働大臣宛てに提出した。三井辨雄厚生労働相は10月30日の閣議後会見で、まだ詳細については承知していないとした上で「重要な点であり、しっかりと対応したい」と述べた。大綱案は「医療における基本権」と「患者の権利各則」の2部構成となっている。

 「医療における基本権」では、最善・安全・平等な医療を受ける権利について言及しているほか、自己の生命・身体・健康などに関する情報を知る権利、自由意思に基づいて自己の受ける医療行為に同意・選択または拒否する権利などについてまとめている。

 「学習権」として、医療保障制度などについて学習する機会の充実を求めているほか、患者主体の医療に転換するためとして、患者が医療政策の立案にも携わるべきとも主張している。

 国と地方公共団体が負う医療提供体制整備に関する責務として、医療施設の適切な配置や必要とされる診療科目の確保、医療従事者の適切な養成・配置なども求めている。クローン技術は法的規制を受けるものの、それ以外の治験や臨床研究などは法的規制を受けないと問題視し「全ての人対象研究を一元的に規制する法律を制定するべき」としている。

●各都道府県に「患者の権利審査会」を
 「患者の権利各則」では、国に対し各都道府県に患者の権利を守るための「患者の権利審査会」を設置するよう求めているほか、「医療事故の被害救済を求める権利」として無過失補償制度のさらなる整備や、第三者による医療事故調査機関の設置を求めている。

 医療行為に関する同意・選択または拒否を判断する能力が十分ではない患者について「誰がどのように援助するのかについても制度整備が不可欠」とした。このほか、適切な医療を選択するために必要な医療情報にアクセスする権利や、医療記録の開示請求権などを求めている。(10/31MEDIFAXより)

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