【日医】TPPは究極の規制緩和、動向を注視/日医・中川副会長
日本医師会の中川俊男副会長は5月26日、東京都内で開かれた「ドクターズ・デモンストレーション2013シンポジウム」で環太平洋連携協定(TPP)について「TPPは究極の規制緩和だと思う」と述べ、政府による交渉の動向を注意深く見守る認識を示した。関連して日医が警戒する「混合診療の全面解禁」にも触れ、「政府の産業競争力会議で議論されているのが混合診療の全面解禁なのか、保険外併用療養の拡大なのかは大きな論点だ」として警戒感を示した。
日医はTPPに関する見解として、国民皆保険を守るための条件に▽公的な医療給付範囲を将来にわたって維持する▽混合診療を全面解禁しない▽営利企業(株式会社)を医療経営に参入させない―の3点を掲げている。このうち混合診療の全面解禁について中川副会長は、仮に全面解禁されれば先進医療などの「新しい医療」が保険適用されなくなると強調し「全面解禁から5年、10年、15年とたったとき、気が付けば新しい医療が保険適用されず、保険診療部分が少なくなってしまう問題がある」と述べた。
「保険外併用療養のさらなる範囲拡大」についても言及し、仮に先進医療から保険適用への流れが滞ってしまう事態になれば、保険外併用療養の対象が膨らむだけだと主張。「先進医療が評価療養の枠の中にとどまっていくことになれば“混合診療全面解禁”と同じことになる。このことは注視していかなければならない」と述べた。(5/28MEDIFAXより)