【日医】TPPはじめ規制改革を不安視/日医代議員ら「強い日医を」  PDF

【日医】TPPはじめ規制改革を不安視/日医代議員ら「強い日医を」

 6月23日に開かれた日本医師会の定例代議員会では、26日で発足から半年となる第2次安倍内閣に対して、環太平洋連携協定(TPP)をはじめ規制改革に関する政策を不安視する意見が相次いだ。一方、国への要望や提言を確実に実現させるために「強い医師会」を求める意見もあった。

 TPPをめぐっては、関連質問も含めて多くの代議員が質問に立ち、7月の交渉入りを目前に関心の高さをうかがわせた。「TPPに参加すれば、自由主義経済の米国を相手に、皆保険制度を将来的に全て守るのは困難ではないか」(北海道医・深澤雅則代議員)、「安倍晋三首相が米国からTPP参加を突きつけられた場合、TPP参加は必然だ」(滋賀県医・関川浩嘉代議員)、「政府は国益に反すれば脱退すると言っているが、本当に可能なのか。政府はどの程度の国益を想定しているのか」(奈良県医・塩見俊次代議員)など、TPP参加を懸念する意見が相次いだ。

●最終的には国民運動に
 大阪府医の茂松茂人代議員が「TPP参加の流れになれば、国民運動の手法も取らなければいけないのではないか」と質問すると、羽生田俊副会長が「現段階で関連情報が乏しいので具体的な案は提示できないが、最終的には国民運動をしなければならない」と応じる場面もあった。

 政府で検討が進む医療関連施策では、兵庫県医の足立光平代議員が「成長戦略や骨太の方針などで国民の命を守れるのか」と危険視。「社会保障制度改革国民会議などに見られる公的医療の制限と管理医療への転換」「行政主導によるICT化」など、規制緩和が誤った方向に進まないよう注意するべきとの意見が出た。

●組織率の向上を
 こうした不安に対応する手だてとして、早く「強い医師会」を実現させ、確実な政策提言につなげるべきとの主張もあった。埼玉県医の金井忠男代議員は政府の規制改革を危惧した上で「強い医師会をつくるため、入会に何らかの強制力を持った方策も考えるべきではないか」と組織率向上の重要性を主張。「会費を大きく下げる抜本的措置も必要ではないか」(兵庫県医・田中良樹代議員)との提案もあった。

●参院選での力こそ国民運動
 横倉義武会長は代議員会の最後に、2013年秋にはTPPをはじめ医療法改正や、同法改正に伴う規制改革で動きがあるとの見通しを示した上で「政治的に、13年の秋は大きな時期になる。7月の参院選でわれわれがどれだけの力を発揮できるかが最大の国民運動だ。この国民運動で十分に力を発揮できなければ、13年の秋は厳しくなる。全力を挙げて戦いたい」と気を引き締めた。(6/24MEDIFAXより)

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