【日医】調剤報酬「院外・院内の価格差是正を」/日医・鈴木常任理事
日本医師会の鈴木邦彦常任理事は10月20日、東京都内で開かれた全国医療法人経営セミナーの「医療・介護の同時改定の検証と対策」のセッションで、「次期診療報酬改定では、中小病院および診療所の評価をアップさせるため、議論を開始していくことが必要だ」と述べた。「薬価差益が圧縮されている中で、院外の調剤報酬と院内調剤の価格差をなくすよう次期診療報酬改定で検討すべき課題だ」とも指摘した。
在宅医療の促進については「国家的な取り組み」が必要とした。2012年度診療報酬改定では「強化型」の在宅療養支援診療所(在支診)と在宅療養支援病院(在支病)が創設されたが、日医の調査では在支診ではない診療所が新たに在支診を届け出る動きは少ないという。24時間の体制確保が難しいとの意見が上がっている。鈴木常任理事は「在宅医療は地域医師会が中心となって、在支診以外の診療所が在支診や在支病との連携体制を構築できるよう対応していくべきだ。診療報酬でも、強化型在支診、その他の在支診、在支診以外でターミナルケア加算などに点数格差があり、次期診療報酬改定で見直すよう議論したい」と問題提起した。
在宅医療については総合討論でも、座長の関健・日本医療法人協会副会長(長野県医師会副会長)が「地域医療における在支病、在支診の届け出数だけでは、その地域の在宅医療の実態は把握できない。地域医療計画を策定していく上で、計画と実態が大きく乖離することがないよう留意すべき」と課題を挙げた。
一方、全日本病院協会の西澤寛俊会長は関座長の質問を受け、入院基本料の検討状況について解説し「次期診療報酬改定では、看護職員月平均夜勤72時間問題などが病院団体としても大きな課題になっていくだろう」と述べた。(10/23MEDIFAXより)