【日医】診療報酬マイナス改定「あり得ない」/日医が財政審に反論  PDF

【日医】診療報酬マイナス改定「あり得ない」/日医が財政審に反論

 10月21日の財政制度等審議会・財政制度分科会で「診療報酬本体の改定率をプラスにすべきではない」との意見が相次いだことなどを受け、日本医師会は10月23日、次期診療報酬改定について「診療報酬を増額しないということはあり得ない」とする見解を発表した。中川俊男副会長が定例会見で、日医の考えを説明した。

 日医は「消費税収についてはその使途を明確にし、官の肥大化には使わず全て国民に還元し、社会保障財源化する」と示された社会保障・税一体改革大綱などを根拠に挙げ、「社会保障・税の一体改革で消費税増収による財源を社会保障の充実に充てるのは国民との約束事項。医療提供体制の将来像を作成するまで診療報酬を増額しないことはあり得ない」と主張した。

 医療関連産業を成長産業に位置付けている政府の方針も指摘し、「政府は保険外併用療養の拡充を目指しているが、そのためには保険診療も拡充されなければならず、このことからもマイナス改定はあり得ない」と強調した。

●薬価財源の引きはがしは「機械的削減の復活」
 薬価改定財源の在り方については「健康保険法で薬剤は診察等と不可分一体で、その財源を切り分けることは不適当」として“財源の引きはがし”は認められないと主張。「薬価マイナス改定の財源を診療報酬本体の改定財源に充てなければ、実質的に2002年から06年まで行われた自然増に対する年2200億円の機械的削減が復活することになる」とも指摘し、懸念を表明した。

 中川副会長は「地域医療が依然として危機的状況にある中、地域医療ビジョンの策定まで、診療報酬による手当てを行わないことは医療の再興を大きく遅らせることになる。地域の実情に応じた財政支援(基金など)とともに、日本の医療の全体的な底上げのためには診療報酬の増額も不可欠」と強調した。(10/24MEDIFAXより)

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