【日医】知事からペナルティー「本来あってはならない」/日医・横倉会長
日本医師会の横倉義武会長は3月30日の日医臨時代議員会で、病床機能報告制度の創設や地域医療ビジョンに基づく病床数の整備に触れ、医療機関の自主的な機能分化・連携が進まない場合、都道府県知事が医療審議会の意見を聞いた上で不足している医療機能の病床への転換などを要請できることについて「本来なら医療は拘束もなく、やりたいようにやれるのが望ましいが、高齢社会の中での適切な医療提供体制を考えなければならない。そういう意味で、ある程度は病床機能報告制度をつくることは理解しなければならない。だが、その結果として知事からのペナルティーはあってはならない。政府にも強力に訴えたい」と述べた。
塩見俊次代議員(奈良)が「国が向かう方向は、医療に新たな規制を設け、医療をコントロールする考えがあるようだ。今回の医療法改正では、将来の医療を守るために都道府県知事からのペナルティーは認めてはいけないのではないか」と述べ、機能分化・連携が進まない場合の知事の持つ権限について懸念を示した。これに対し横倉会長は「各地域の病院の機能を知っているのは地域の医師会の先生なので、医師会でそこをコントロールするのが大事」と呼び掛けた上で、「行政が強権的に『この病院はどうか』などとするのはあってはならない。そういう意味でペナルティーの話は本来的にはあってはならない」と指摘した。
池田琢哉代議員(鹿児島)も都道府県知事に過度な権限が付与された場合は混乱を招かないかと指摘。これに対し中川俊男副会長は「都道府県医師会や郡市区医師会には、当該行政との関係を早急につくってもらい、風通しの良い関係で協議してもらいたいと考えている」と応じた。(3/31MEDIFAXより)