【日医】横倉会長「少ない財源でめりはり」/14年度改定答申で三師会会見  PDF

【日医】横倉会長「少ない財源でめりはり」/14年度改定答申で三師会会見

 中医協が2014年度診療報酬改定を田村憲久厚生労働相に答申したことを受け、日本医師会と日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は2月12日、東京・本駒込の日医会館で会見した。日医の横倉義武会長は「不適切事例は適切化を図った一方、7対1看護基準の見直しに伴う急性期後の受け皿整備のため、主治医機能、有床診療所、在宅医療への手当てなど、地域に密着して提供する医療は適切に評価された。少ない財源の中でめりはりが利いた診療報酬改定になったという印象だ」と評価した。

 横倉会長は消費税率の引き上げに伴う補填について「基本診療料を中心に補填されたことは評価できる」と指摘。個別項目に配分する従来の方法は不公平であるとし、15年10月にも予定される消費税率10%への引き上げまで1年半しかない状況も挙げ「より公平で、できる限りシンプルな対応案として、基本診療料への配分が妥当」と見解を示した。

 「課税化・ゼロ税率」「非課税還付方式」などの方策が挙がっている税率10%時の対応については「三師会はできるだけ同じ歩調でいけるように(意見の)擦り合わせをしていきたい。医師会と病院団体の意見の調整もある。医療機関に過度な消費税負担をもたらさず、国民に負担にならないような対応を模索する」と述べ、関係者間で意見交換を進める考えを示した。

 鈴木邦彦常任理事(中医協委員)は、めりはりの利いた改定になったことを評価しながら「今後は、かかりつけ医機能の充実をさらに強化していくことや、中小病院や有床診の入院機能も充実させていきたい」と述べた。また、「7対1の病床が大幅に削減されるが、急激な変化によって現場や国民が混乱しないように注視していく。そういう問題があれば、検証して次回の改定で修正させていきたい」とした。

 日本歯科医師会の大久保満男会長は横倉会長の考えに同調し「三師会が一致して、医療再興という大義の下で国民の健康を守っていきたい。その思いで今回の改定に臨んだ」と振り返った。日本薬剤師会の土屋文人副会長は「地域の医師、歯科医師との連携の下、薬局・薬剤師のかかりつけ機能を重視、評価する方向が打ち出された」と述べた。

●日医内に「地域包括ケア推進室」創設へ
 横倉会長は地域医療ビジョンの策定や新たな基金900億円の活用などに向け、日医内に新たに「地域包括ケア推進室」を創設する考えを明らかにした。横倉会長はこれまでに、今後の都道府県と都道府県医師会の連携強化の重要性を訴えている。推進室では、行政との連携を円滑に進めるための実務的な支援・指導を行ったり、基金の活用などをめぐる都道府県医師会や郡市区医師会からの問い合わせに対応する。(2/13MEDIFAXより)

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