【日医】安定ヨウ素剤の服用、医師の説明でガイドライン策定/日医
日本医師会は甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を安全に服用してもらうため、医師が住民に説明する際の要点などをまとめたガイドラインを策定した。地方公共団体が安定ヨウ素剤を配布する際に開く住民説明会で、医師が説明する際に伝えるべき予防効果や副作用、服用回数などを盛り込んだ。日医の石井正三常任理事は3月12日の定例会見で「国民の生命を守るため、全ての医師に読んでもらいたい」と呼び掛けた。
原子力規制委員会の原子力災害対策指針では、原発からおおむね5キロ圏の「PAZ」(予防的防護措置準備区域)などにある地方公共団体は住民に安定ヨウ素剤を配布する体制を整備し、事前配布を行う際は住民説明会で医師が安定ヨウ素剤の予防効果や副作用などを説明するよう求めている。これに関する医師の具体的な対応策をまとめるため、日医救急災害医療対策委員会災害医療小委員会と日医総研が原子力規制庁の助言を受ける形でガイドラインを策定した。
ガイドラインの内容は、安定ヨウ素剤の副作用や相互作用に注意が必要な薬剤の紹介に加え、PAZ内外で行政が服用を決定するプロセスや服用回数、住民説明会の事前配布までの流れなど多岐にわたる。
原子力事故発生を受けて服用するまでの要点も示しており、行政から服用の指示が出る基準や服用時期と効果などを盛り込んだ。服用する時期などについて、医師や地域医師会が医学的知見から地域の行政に助言することも重要などとした考え方も示した。
石井常任理事は、住民の被ばくリスクを軽減するため、ガイドラインが広く活用されることに期待を示した。(3/13MEDIFAXより)