【日医】地域で頑張る医師の評価を/国民会議発言で日医・横倉会長
日本医師会の横倉義武会長は4月24日の会見で、19日の社会保障制度改革国民会議(会長=清家篤・慶應義塾長)で自身が主張した内容や委員との質疑応答を振り返った。外来定額制の必要性を質問した出席委員とのやりとりについて「後期高齢者診療料による定額負担は人頭割りにつながる危険性をさまざまな医療現場から提起されていたので、そのようにならないように十分に留意していただきたい。しかし、かかりつけ医として地域で頑張っている医師の評価については十分な配慮をしていただきたい。高齢者に限らず、一定の健康管理としてというのなら十分に評価してもらわなければならない」との趣旨で発言したと説明した。
●人頭割りは会議の場でも否定
国民会議では、出席委員が2008年度診療報酬改定で導入されながら後に廃止された「後期高齢者診療料」など外来の定額制に関して言及し、横倉会長に「かかりつけ医が定着するためには一種の定額制が避けられないのではないか」と質問。これに対し、横倉会長は「人頭割りにするといろいろ別の問題が出てくるが、一定の健康管理のためのコストということではあり得ると思う」と応じていた。
横倉会長は会見で「かかりつけ医は全ての国民に持ってもらいたい。かかりつけ医が地域で頑張るわけで、診療報酬上で手当を十分にすべき」と述べ、かかりつけ医は地域で産業医など地域保健の活動をしており、それらの活動を含めて評価すべきだとの認識を示した。「人口が500人程度の地域の中には、医師がいないと人が住めない地域もある。そういう地域でも医療が継続できるために、何らかの仕組みづくりが必要だ」とも述べた。「外来の定額制に関して点数を新たに設けることを容認したのか」との質問には「それは(表現が)行き過ぎている」と否定した。
横倉会長はこれまでの国民会議の議論についても言及した。多くの委員が国保運営を都道府県単位に広域化する方向性に賛成していることについては「国保への財源移管については保険者間の意見調整が重要」と指摘した上で、「現在の市町村単位の国保運営では不十分。負担と給付のバランスが取れていない。少なくとも都道府県単位まで広げてもらいたい」と述べた。
委員間で一定のコンセンサスが得られている後期高齢者支援金への総報酬割の導入に関して、確保できる財源の使途については「行政や専門の方々で議論をしていただきたい」とした。(4/25MEDIFAXより)