【日医】今後の社会保障構築で日医の貢献期待/医療政策会議が答申
日本医師会の医療政策会議はこのほど、横倉義武会長が諮問した「日本における社会保障のあり方−欧州の社会保障の比較・検証から−」について、報告書をまとめ答申した。報告書は、ヨーロッパの政策を踏まえつつ、日本の社会保障制度を時代に合わせさらに時代を先取りして構築していくために、日医がこれまで以上に力を発揮し貢献する姿を期待するとまとめている。石川広己常任理事が、4月2日の定例会見で報告した。
報告書は、第1章「医療・介護の一体改革、2025年をめざして―医療専門職集団に求められているもの―」(権丈善一委員・慶応大教授)、第2章「社会保障制度の本質機能―歴史から学ぶ―」(田中議長)、第3章「ヨーロッパにおける近年の医療制度改革の動向─イギリス・フランス・オランダを中心に─」(松田晋哉委員・産業医科大教授)からなる。
第1章では、社会保障制度改革国民会議の報告を紹介しながら、医療サービスの本質や制度設計を論じた。第2章では、ヨーロッパでの社会保障制度の始まりの背景になった資本主義経済の発達や工場労働者の増大のほか、「富国強兵策」との関係などを論じた。第3章では「社会の高齢化と低経済成長下において医療保障制度をいかに持続可能なものにしていくか」という課題を取り上げた。英国、フランス、オランダ3国の医療制度の概要や近年の改革についても記した。(4/3MEDIFAXより)