【日医】主治医機能、「服薬管理は医師の業務」明確化/日医・横倉会長
日本医師会臨時代議員会が3月30日開かれ、横倉義武会長は、2014年度診療報酬改定で新設された「地域包括診療料」と「地域包括診療加算」について「日医が主張してきたかかりつけ医機能の評価に新たな道筋をつくることができた」との認識を示した。その上で算定要件の服薬管理について「医師の業務であるということを明確にした」と強調した。
東京都の近藤太郎代議員の代表質問に答えた。近藤氏は、地域包括診療加算の算定要件について「時間外対応加算1もしくは2を算定していればよいという点が大きなポイント。地域のかかりつけの医師たちに地域包括ケアに参入してほしいとの厚生労働省のメッセージ」とした。その上で「日医として全国の多くの診療所が地域包括ケアに携わっていくよう働き掛けてほしい」と要請。「多くの診療所がこの加算を届け出ることは、世の中への大きなインパクトになると思う」と述べた。
●人頭制・外来包括・登録医制「全く考えていない」
一方、08年度改定で導入され、その後廃止された後期高齢者診療料と同様、患者と医療機関を1対1の関係で縛る登録医制につながるのではないかとの疑念が、群馬県医師会の田中義代議員や山口県医師会の吉本正博代議員、北海道医師会の今眞人代議員から指摘された。
田中氏は「08年度に導入された後期高齢者診療料で主治医を1カ所に決めろということで、当時、日医は反対したが、今回は受け入れている。これは大きな問題と思うがどうか」と日医の対応をただした。横倉会長は「今回は対象4疾病に絞られている。その他の疾病は自由に受診できる仕組みだ。後期高齢者診療料の反省を基に制度設計した」と説明し、「厚労省は当初、包括診療料だけを考えていたが、それでは以前のような混乱が起きるということで、地域包括診療加算を設定してもらった。日医の意見を通してもらった」と述べ、加算の設定は日医が強く要望し実現できたと振り返った。
吉本氏も「登録人頭割定額制」に結び付くのではないかとの懸念を表明。今氏も「人頭割・外来包括化・登録医制」などの導入につながると問題意識を示した。
こうした質問に対し鈴木邦彦常任理事は「日医は、地域包括診療料および地域包括診療加算について、かかりつけ医機能の評価の第一歩として認めた。かかりつけ医機能の評価は、医療提供体制の根幹に関わる重大な問題なので慎重に進めるべき」とし、「日医は人頭制・外来包括化・登録医制などは全く考えていない」と回答した。(3/31MEDIFAXより)