【日医】一体改革関連法の成立を評価/日医・横倉会長、消費税で注文も  PDF

【日医】一体改革関連法の成立を評価/日医・横倉会長、消費税で注文も

 日本医師会の横倉義武会長は8月22日の定例会見で、8月10日に成立した社会保障・税一体改革関連法について「消費税率の引き上げにより社会保障の安定的財源が確保されたこと、消費税収を年金、医療、介護、少子化のために充当することが明確化されたことを評価する」と述べた。ただ、消費税率の引き上げに当たっては解決すべき点があるとして政府に対応を求めた。

 横倉会長は消費税増収分の使途について社会保障に充てることを明確にすべきと主張した。関連法の文言を取り上げ「消費税収を成長戦略の諸課題や公共事業に配分する方向であれば極めて問題」と指摘した。消費税収の社会保障目的税化も「厳密に目的税化されれば、将来、社会保障給付が消費税収の範囲内に圧縮されていくのではないかと懸念している」と述べ、消費税収以外の財源も充てるべきと提言した。

 医療機関の控除対象外消費税問題の解消も課題に挙げた。税制に関する決定権を持つ検討の場の設置を要望。仕入税額控除が可能な課税制度にした上で、患者負担を増やさない制度に改善することを求めた。

 国民皆保険制度を堅持していくこともあらためて強調。「原則として全ての国民が加入する仕組みを維持する」とした社会保障制度改革推進法の公的医療保険制度の文言について「原則として」という部分を挙げ、「国民皆保険は全ての国民が加入することが大前提であり、日医は政府が国民皆保険を放棄するかのような姿勢を示したことを看過できない」と指摘。保険免責制や受診時定額負担の導入、混合診療の全面解禁につながりかねないと警戒感を示した。

 社会保障制度改革国民会議については「国民の生命と健康を守る専門家集団である日医を参画させ、意見を真摯に取り入れるべき」と述べ、委員として日医も参画できるようにすべきとした。(8/23MEDIFAXより)

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