【日医】「延命処置の中止」、法規定は慎重に/日医・生命倫理懇が答申
日本医師会の第13次生命倫理懇談会はこのほど、「今日の医療をめぐる生命倫理―特に終末期医療と遺伝子診断・治療について―」をまとめ、横倉義武会長に答申した。松原謙二副会長が4月2日の定例会見で報告した。
答申では、超党派の議員連盟による終末期医療の法制化に向けた動きに関連し、許容される「延命処置の中止」を法律によって規定することは、法律で規定する以外の行為は許されないという解釈を医療現場に生じさせ、結果的に患者の権利が制約されると指摘。法制化の前にリビング・ウィルなど患者の意思を尊重した終末期医療の体制整備と、厚生労働省や日本医師会などのガイドラインの実効的実施に向けて一層の努力を払うべきと明記した。
また、遺伝子診断・治療については、出生前遺伝子診断と遺伝子診断の商業化についてまとめた。遺伝子診断の商業化では、遺伝子検査ビジネスを規制・監督する法整備は全くなく、遺伝子差別防止の対策も取られていないと指摘した。ただ、国民総医療費の抑制効果が期待でき、健康増進に役立つ可能性もあるとし、法規制を含めた適切な実施体制の構築が急務だとした。(4/3MEDIFAXより)