【新型フル】新型フル特措法案、衆院内閣委で可決

　新型インフルエンザ等対策特別措置法案は３月２８日、衆院内閣委員会で民主党、自民党などの賛成多数で可決した。共産党は法案について「国民的な議論や合意の積み上げが決定的に不足している」と批判し、反対した。法案可決後、付帯決議案を民主、自民、公明、みんなの４党が提案し、共産党を除く賛成多数で可決した。付帯決議で政府に求めた内容は以下の通り。

　（１）本法の新型インフルエンザ等対策等が円滑に実施されるよう、地方公共団体、指定公共機関等、事業者および国民に対し、本法の内容を周知徹底する（２）政府行動計画を策定する際の根拠となる被害想定については、最新の科学的知見を踏まえ、いたずらに過大なものとすることのないようにする（３）本法の規定に基づく私権の制限に係る措置の運用に当たっては、その制限を必要最小限のものとするよう、十分に留意する（４）新型インフルエンザ等緊急事態宣言を行うに当たっては、科学的根拠を明確にし、恣意的に行うことのないようにする（５）放送事業者である指定公共機関等が実施する新型インフルエンザ等対策については、放送の自律を保障することにより、言論その他表現の自由が確保されるよう特段の配慮を行う（６）平時から新型インフルエンザ発生に対応できるよう、医療体制の整備を図るとともに、特に患者が急増するまん延期においては、一般の医療機関も含め、入退院措置など適切な措置により医療提供体制の維持を図る（７）患者等に対する医療等の実施に関する医療関係者の協力については、医療関係者の理解が得られるよう、各種の安全対策や実費弁償、損害補償の枠組みを十分に説明する（８）独居世帯を含めた在宅患者への薬剤処方の在り方を明示し、周知徹底を図るとともに、在宅の一人暮らしの高齢者や障害者など社会的弱者に対しては、市町村と協力し、見回り、介護、訪問診療、食事提供、搬送等の適切な支援を図る（９）先行接種するプレパンデミックワクチンの製造備蓄を万全なものとするとともに、特定接種の対象者および優先順位の在り方を明示する（１０）全国民分のパンデミックワクチンをより短期間に製造するための研究開発を推進・支援するとともに、接種の優先順位の在り方を明示する（１１）新型インフルエンザ等対策等については引き続き国際的な連携を図るとともに、特に発展途上国での医療体制や公衆衛生の向上に積極的に貢献する。（３/２９MEDIFAXより）