【新型インフル】集団的予防接種の手引き作成/新型インフルで厚労省  PDF

【新型インフル】集団的予防接種の手引き作成/新型インフルで厚労省

 厚生労働省健康局の結核感染症課は3月4日の全国健康関係主管課長会議で、新型インフルエンザなどの集団的予防接種に向けた手引きの暫定版を提示し、説明した。手引きは近日中に厚労省HPで公表する予定。

 新型インフルエンザ等特措法と政府行動計画は、新型インフルの予防接種で住民への接種の実施主体を市町村としており、手引きは市町村の参考にしてもらうため、岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長を分担研究者とする厚生労働科学研究で作成した。

 住民への接種では、ワクチンは10mlなどのマルチバイアルで供給されることが想定され、原則的に集団的予防接種で100人以上を単位とする接種体制の構築が求められるとした。対象者には、当該市町村の住民基本台帳に登録されている人のほか、▽長期入院・入所者▽里帰り分娩の妊産婦とその同伴小児―なども含める。接種順位は▽医学的ハイリスク者▽小児▽成人・若年者▽65歳以上の高齢者―の4群に分類し、発生後に政府対策本部が決定する。

 集団的予防接種には、公民館や体育館などの会場に対象者を参集させて実施する「地域集団接種」と、学校・医療機関・社会福祉施設などで既に形成されている集団に実施する「施設集団接種」がある。地域集団接種の対象は▽妊婦▽未就学児▽高齢者(原則)▽移動可能な在宅医療受療中の患者▽短期の入院者(退院後)▽通所サービス利用者(原則)―などが該当する。施設集団接種では▽学生▽高齢者介護施設の入所者▽長期の入院患者▽移動困難な者が多い通所施設のサービス利用者―などを対象とすることが可能になる。このほか、医療従事者が戸別訪問して実施する「地域訪問接種」があり、▽移動が困難な在宅医療受療中の患者▽移動が困難な障害者(在宅生活者・短期施設入所者)―などが対象となる。

 集団的予防接種を実施する際は▽予診を担当する医師1人▽接種を担当する看護師1人▽薬液充填・接種補助を担当する看護師または薬剤師1人―を1チームとして編成する。会場には、接種後の状態観察を担当する看護師など1人、受付・予診票確認・誘導・接種済証発行などの事務を担当する人が複数必要になる。予診から接種までの時間を2分、1日の実施時間を7時間とすると、2チームで1日420人が接種可能となる。市町村には地域医師会などの協力を得て、対象者数に応じたチーム数の確保が求められている。(3/5MEDIFAXより)

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