【救済制度】抗がん剤救済制度見送り、「結論出せない」/厚労省・検討会  PDF

【救済制度】抗がん剤救済制度見送り、「結論出せない」/厚労省・検討会

 厚生労働省の「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」(座長=森嶌昭夫・名古屋大名誉教授)は7月13日、抗がん剤被害救済制度の創設を見送る内容の取りまとめ骨子案を了承した。骨子案では「現時点では制度の導入は結論が出せる段階にないと言わざるを得ない」と結論付けた。取りまとめは次回の検討会になるが、救済制度の創設を見送ることは事実上決まった。

 救済制度の検討の発端はイレッサ訴訟で原告団からの要望を受け、細川律夫前厚生労働相が2011年1月の記者会見で制度の検討を行うことを表明したことだ。その後11年6月から計10回検討会が開かれ、学会や患者団体、製薬団体などの聞き取りで制度創設に多くの課題があることが分かった。

 示された骨子案によると、今まで挙がった問題点として、抗がん剤と副作用の因果関係についてがんによる症状や合併症などとの区別が難しいほか、制度が導入されると製薬企業が拠出金のコストが増えることを懸念して日本での抗がん剤の開発、販売に消極的になる可能性があるなどとした。骨子案ではこうした問題点を受け、結論が出せる段階にないと結論付けた。

 議論では委員から骨子案に賛同する意見が相次ぎ、制度創設の見送りが事実上決まった。(7/18MEDIFAXより)

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