【救急】3回以上の拒否1万7000件/11年が最多、急患受け入れ
2011年に重症患者の救急搬送で医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースが、過去最多の1万7281件に上ったことが12月7日、総務省消防庁の集計で分かった。前年に比べ900件の増加で、消防庁は高齢化に伴うお年寄りの搬送増加に加え、救急病院の減少が理由とみている。
11年の重症患者の搬送は計44万1850件で、3回以上受け入れを拒否された割合は3.9%。都道府県別にみると、東京が3500件で最も多く、次いで埼玉2448件、千葉1114件の順だった。
10回以上拒否されたケースも753件あり、最多は大阪府の事例で41回だった。
搬送を拒否した病院側の理由は、「手術中・患者対応中」の21.9%、「人手不足や設備がなく、処置が困難」の21.7%が目立ち、「ベッドが満床」も17.1%あった。
一方、軽症を含めて15歳未満の小児の搬送で3回以上の受け入れ拒否があったのは1万1039件。妊婦でも549件あった。
消防庁によると、11年に救急搬送された65歳以上の人は269万人で、06年の221万人から大幅に増えている。消防庁は「救急医療機関は長期的に減少傾向にあるが、消防と病院側の連携強化により、迅速に搬送できる体制にしていきたい」としている。
集計結果は、消防庁が12月7日開いた有識者検討会で報告。東日本大震災の影響で調査できなかった被災地の一部消防本部のデータは除いている。(12/11MEDIFAXより)