【指導監査】指導監査選定で「在支診分離」、恒久化も/日医・鈴木常任理事
指導監査に関する日本医師会と厚生労働省の協議の結果、2012年度から、在宅医療の高点数保険医療機関の選定で「診療所枠」から在宅療養支援診療所を独立させた。日医の鈴木邦彦常任理事は11月17日、取材に答え「全国からの意見を踏まえて試行実施に踏み切った。今後も問題がなければ恒久化していきたい」と表明した。
鈴木常任理事は「日医としては、指導大綱で高点数保険医療機関を集団的個別指導などの選定基準に規定している点に対して、理解できないと主張してきた。高点数保険医療機関として集団的個別指導を受けた保険医療機関のうち、翌年度も高点数保険医療機関に該当するということだけで個別指導の対象にすることには、現場からの不満も強い。不正請求の場合と、正当な診療の結果として高点数になった場合は、きちんと分けて判断すべきだ」とし、今後も厚労省と緊密な協議を継続する考えを示した。
●愛知県医、高点数基準の導入を拒否
医療機関に対する指導監査の問題については、11月17日に富山市で開かれた中部医師会連合社会保険特別委員会でも議論された。愛知県医師会は個別指導について2009−11年度の中部7県と大都府県(6都府県)の推移を報告。11年度に東京で個別指導が行われた77件のうち1件当たり高点数で選定されたのは8件、神奈川は59件のうち6件だった。一方、中部では、岐阜が個別指導37件のうち1件当たり高点数による選定が18件、福井は16件のうち13件だった。
愛知県医は「東海北陸厚生局からは、12年度から選定基準に1件当たり高点数を入れたいとの申し入れがあったが、断固拒否している段階だ」とし、▽萎縮医療につながりかねない▽個別指導対象の数値目標(4%)の根拠が明確でない―などを問題視した。数値目標の在り方については日医と厚労省が十分協議するよう求めた。(11/20MEDIFAXより)