【戦略特区】大阪が国家戦略特区案を提出/再生医療、がんで部分的保険外併用  PDF

【戦略特区】大阪が国家戦略特区案を提出/再生医療、がんで部分的保険外併用

 大阪府と大阪市は9月11日、政府が進める「国家戦略特区」提案募集に応じ、健康・医療イノベーションを筆頭に国際競争力を高めていくプロジェクト案を内閣官房に提出した。プロジェクト案では、再生医療や医療機器、次世代がん治療技術などの研究開発環境を整備し、医療イノベーションを大阪から世界に発信するため、医療機関・対象疾病を限定した保険外併用療養の拡大などの措置を国に求めている。

 大阪府・市提案のプロジェクト案では、まず2014年4月に最先端医療融合イノベーションセンターを開設する大阪大に、免疫・再生医療等の臨床応用(治験)を行う拠点を整備するとしている。事業効果は20年までに国内・海外市場を合わせて2576億円(40年:4兆7851億円)になると試算している。18年度に国立循環器病研究センターが移設するのに合わせ、国循を核に企業を集めた「複合医療産業拠点」を吹田市に形成することも提案。2030年には国循の生み出す市場規模が1600億円になると見積もった。また、がん細胞だけを破壊するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の国際研究拠点を大阪に整備する構想も盛り込み、「関西には必要な技術がそろっており、世界初の治験も開始している」とした。

 これらを行うための規制改革案として▽医療機関・対象疾病を限定した保険外併用療養の拡大▽治験終了後、薬事承認までの間の保険外併用療養の拡大▽外国人医療スタッフによる特区内医療看護の規制緩和―などを提示。研究開発促進税制による優遇も求めた。

 松井一郎大阪府知事は会見で「ポテンシャルを十分に生かし、『健康になるなら大阪』といった都市を目指していきたい。この程度の提案は当然取り入れてもらわないと。9月13日からのヒアリングで強く主張していく」と抱負を述べた。

 国家戦略特区は日本再興戦略の一環として創設を検討中。内閣官房の地域活性化統合事務局が、8月中旬から民間事業者・地方公共団体に対し特区提案を募集していた。民間投資を呼び込んで日本経済の再生を後押しし、規制改革の提案を含むものを求めていた。提出された特区案は「国家戦略特区ワーキンググループ」などで検討し、今後設置する予定の「国家戦略特区諮問会議」(議長=安倍晋三首相)で決定する。(9/12MEDIFAXより)

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