【成長戦略】骨太方針を閣議決定、成長戦略と規制改革実施計画も/政府
政府は6月14日、いわゆる骨太方針の「経済財政運営と改革の基本方針」と成長戦略の「日本再興戦略」、規制改革実施計画をそれぞれ閣議決定した。
骨太方針は、アベノミクスで「3本の矢」とする「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」によって長引くデフレから早期に脱却し、経済成長と財政再建の両立を図ることが基軸。中長期の財政健全化に向け、国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)のGDP比の赤字を、2015年度までに10年度比で半減させ、20年度までに黒字化する目標を掲げる。
社会保障支出については「聖域とはせず、見直しに取り組む」と明記し、いっそうの重点化と効率化を進める方針を示した。国民皆保険制度を将来にわたって堅持し、社会保障制度を持続可能にするための取り組みとして「健康長寿化」「医療・介護のICT化」「後発医薬品の使用促進」などが示された。
成長戦略では、その中の「戦略市場創造プラン」で最初に「国民の健康寿命の延伸」を取り上げた。医療分野の研究開発の司令塔機能として「日本版NIH」を創設することや、「最先端医療迅速評価制度(仮称)」(先進医療ハイウェイ構想)を推進させて先進医療の対象範囲を大幅に拡大することも打ち出した。全ての健保組合がレセプトのデータを分析し、加入者の健康増進のための事業計画「データヘルス計画(仮称)」を作成して実行することも求めるとした。
規制改革実施計画には、医療のICT化の一環で「遠隔医療の推進」も盛り込まれている。対面診療と組み合わせた遠隔診療で、安全性や有効性などのエビデンスが得られたものから、診療報酬の特定疾患治療管理料、在宅療養指導管理料などの算定を認められるよう中医協で検討すると記載。遠隔診療で処方箋料の算定はどのような場合に可能となるか明確化することも盛り込んだ。遠隔モニタリングによる心臓ペースメーカー指導管理料については、4カ月ごととされている対面診療の間隔の延長などを中医協で検討するとした。いずれも14年度診療報酬改定に合わせて結論を得るとした。
カルテや処方箋の電子化も取り上げた。カルテについては、貼付が求められている各種文書についても電子媒体での管理のみでよいことを明確化する。実施時期の案として、13年7月までの措置を求めた。処方箋については電子化の実現に向けた工程表を策定するとした。実施時期については、案として13年度上期の措置とした。(6/17MEDIFAXより)