【成長戦略】保険外併用療養拡大や「データヘルス計画」も/成長戦略素案  PDF

【成長戦略】保険外併用療養拡大や「データヘルス計画」も/成長戦略素案

 甘利明経済再生(一体改革)担当相は6月5日の産業競争力会議に、成長戦略の素案を示した。保険外併用療養を外部審査方式を取り入れて拡大させることや、全ての健保組合に加入者の健康保持増進の事業計画「データヘルス計画(仮称)」を作成するよう求めるなど、医療関係施策も大きな位置を占めている。実現に向けた工程表も示した。

 成長戦略の素案は「日本産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」「国際展開戦略」の3つのプランで構成し、戦略市場創造プランには「健康寿命の延伸」が盛り込まれている。健康寿命の延伸では「健康予防・介護関連産業の市場規模を2020年に9兆円(現状2兆円)に拡大」「医薬品、医療機器、再生医療の医療関連産業の市場規模を20年に12兆円(現状9兆円)に拡大」の2つを成果目標に掲げた。

 具体的な施策には▽保険外併用療養の拡大▽日本版NIHの創設▽一般用医薬品のインターネット販売解禁▽医療・介護・予防分野のICT利活用を加速化▽医薬品医療機器総合機構の体制強化で20年までに医薬品・医療機器の審査ラグゼロを実現―などがある。

●全健保組合にレセプト分析を
 予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとしては、全ての健保組合にレセプトデータの分析と、それに基づいた加入者の健康保持増進のための事業計画「データヘルス計画」の作成・公表・事業実施・評価の取り組みを求める。そのために健康保険法関連の厚生労働大臣指針(告示)を2013度中に改正する。計画に着手するのは14年度となる。厚労省は「国として後押しや指導をしたい」(保険局保険課)としている。まずは健保組合から始めるが、素案には「市町村国保が同様の取り組みを行うことを推進する」とも記載した。

 医療分野の研究開発の司令塔になる日本版NIHは、新たな独立行政法人として創設することを明記した。

●“混合診療”は保険外併用療養で/甘利担当相
 甘利担当相は会合終了後の記者会見で「混合診療については保険外併用療養として取り組んでいく」と発言したことを明かした。「混合診療の全面解禁」ではなく、現行制度の中で対応していくことを明言した形だ。(6/6MEDIFAXより)

ページの先頭へ