【急性期】医療部会、機能分化「報告制」を了承/医療法改正案作成へ  PDF

【急性期】医療部会、機能分化「報告制」を了承/医療法改正案作成へ

 社会保障審議会・医療部会は6月28日、「急性期医療に関する作業グループ」がまとめた一般病床の機能分化に関する「整理案」(後掲P.33)を原案のまま了承した。各医療機関が病床の医療機能を自主的に選択し、都道府県に報告する「報告制度」を導入するのが柱。社保審の全体会合には諮らないため、この議論はこれで終了。今後は厚生労働省内で医療法改正案の作成作業を詰めていくことになる。

 一般病床の機能区分を推進する仕組みとして「医療機能情報提供制度」を活用する。報告された内容を基に、都道府県は地域の医療機関が担っている医療機能の現状を把握する。厚労省は、都道府県が医療計画を練るためのガイドラインを策定し、2018年度ら始まる5年間の医療計画に反映していく方針。

 厚労省は、医療法人合併後の「持ち分」の取り扱いについても説明した。持ち分のある医療法人同士が合併し、新たに法人を設立するケースをめぐって混乱が起きていたことから、状況を整理した。5月31日付で発出した医政局長・指導課長通知と同じ内容。

 ▽持ち分あり同士が合併し、新たに医療法人を設立▽持ち分なし同士で合併▽合併前の医療法人のいずれかが持ち分なし―の3パターンでは、合併後の医療法人は「持ち分なし」になる。ただし、持ち分ありの法人が、同規模で持ち分ありの法人を吸収合併した場合は、法的には持ち分ありのまま存続できる。

 このほか「チーム医療の推進」の検討状況も示し、審議が続いている「看護師特定能力認証制度」案の進展具合を報告した。意見がまとまり次第、医療部会に報告する予定。

●法案提出時期に政局も影響
 医療法改正案の肝だった一般病床の機能区分に向けた方策がまとまったことから、今後、改正案の作成作業が大詰めに入る。政府関係者によると、9月8日まで延長された今通常国会に医療法改正案を提出するのは事実上、困難な情勢だ。すでに国会提出されている法案の審議が会期延長の理由だからだという。

 医療法改正案の提出時期は、政局の影響もあり、見通しが難しくなっている。通常国会が閉じた後に臨時国会が開かれる可能性があるほか、衆院が解散し特別国会が開かれる可能性もあり、会期の見通しが立たない。

 医政局は「できるだけ速やかに医療法改正案をまとめ、国会提出したい」と述べるにとどめた。(6/29MEDIFAXより)

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