【急性期】「認定」やめて「登録」を提案も平行線/厚労省・急性期WG
厚生労働省は4月20日の「急性期医療に関する作業グループ(WG)」(座長=田中滋・慶應大経営大学院教授)に、これまで提案していた急性期病床群(仮称)の「認定制度」に代えて、病棟単位での医療機能の「登録制度」を提案した。ただ、新しい提案についても賛否が分かれ、議論は平行線となった。
●急性期に限定せず
厚労省の新しい提案は、医療機関が自主的に一般病床の医療機能を選択し、都道府県に登録することで、各医療機関に自らの機能の確認を促す仕組み。登録する医療機能は「急性期」に限定しない。
新たな提案に対して、中川俊男構成員(日本医師会副会長)は「言葉は変わっても内容は変わっていない。『登録』も厳しい制度。医療法でかっちり決めるべきではない」と強く反対した。
一方、保険者側は「地域の医療ニーズを把握し、必要な医療機能を位置付けることができる」として登録制度に賛同し、高智英太郎構成員(健保連理事)は「(制度を)しっかりと法律で位置付けるべき」と述べた。
西澤寛俊構成員(全日本病院協会長)は、登録制度の創設や医療法への位置付けで意見が割れているのは、現状認識などにズレがあるためではないかとし、「現状と将来像の共通認識を持つべき」と指摘した。
厚労省が新たに提案した登録制度は、これまでの急性期病床群の認定制度に関する議論の中で▽急性期のみを位置付けることで急性期以外が軽視される▽医療の全体像について必要な機能分化を検討すべき▽「認定」は厳しい仕組み▽法制度化することにより硬直的になる―といった懸念を踏まえて修正したもので、登録する医療機能や基準は今後、検討を進めていく。
厚労省によると、「認定」は定められた要件・基準に基づいて都道府県が“お墨付き”を与える制度で、決定には都道府県の裁量が認められる。「登録」は定められた要件・基準を満たしている場合、都道府県は登録を拒めない。
これに対し高智構成員と花井圭子構成員(連合総合政策局長)は「都道府県の関与が弱くなる」と懸念を示したが、厚労省は「要件・基準に適合しているかどうかの判断は都道府県によるので、関与はできる」と答えた。(4/23MEDIFAXより)