【建保連】高齢者医療は公費5割に、財源は2.2兆円必要/健保連が提言  PDF

【建保連】高齢者医療は公費5割に、財源は2.2兆円必要/健保連が提言

 健保連の白川修二専務理事は4月16日の会見で、政府・与党の社会保障・税一体改革大綱について、高齢者医療制度に投入する公費の割合を給付費の5割まで拡充することなど、健保連の医療制度改革への提言を説明した。

 健保連は2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを念頭に実施した健保組合財政の試算結果に基づいて、▽高齢者と現役世代の負担バランスが取れた制度づくり▽持続性がある高齢者医療制度への見直し▽医療費適正化の強力な推進―の3つの視点で提言をまとめた。

 高齢者医療制度については、国民全体で公平に支える必要があるとして、医療給付費に占める公費の割合を5割とし、残り5割を「高齢者の保険料・現役世代の支援」とする制度に見直すべきだとした。公費5割とした場合には、追加で必要となる財源は約2兆2000億円となると試算した。内訳は前期高齢者医療制度への約1兆8000億円と後期高齢者医療制度への約4000億円。

 前期高齢者医療制度では、市町村国保ですでに公費5割が投入されている。協会けんぽも一部国庫補助が行われているが、健保組合、共済組合のいずれの医療保険制度についても、基礎年金や介護保険と同水準となる公費5割にすべきだと主張した。

 現行の後期高齢者医療制度でも公費は47%投入されているが、50%に引き上げるには4000億円を投入する必要があるという。70−74歳の窓口負担についても早急に法定の2割に戻すべきだとした。

 また、高齢者医療制度を持続させるため、健保組合の財政を好転させる必要があるとして、14年4月に予定されている消費税率を8%に引き上げる際に高齢者医療への投入公費の拡充が必要と指摘した。前期高齢者納付金の算定方法や国保への支援の在り方についても問題点を指摘し、見直しが必要だとした。(4/17MEDIFAXより)

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