【小慢】小慢児支援の在り方で中間報告を公表/厚労省専門委
厚生労働省の「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」(委員長=五十嵐隆・国立成育医療研究センター総長、日本小児科学会長)は1月30日、「慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方」についてまとめた中間報告を公表した。▽公平で安定的な医療費助成制度の確立▽小児慢性特定疾患対策の研究推進と医療の質の向上▽慢性疾患を抱える子どもの特性を踏まえた健全育成・社会参加の促進、家族に対する地域支援の充実―を大きな柱に据える。
同専門委員会は、厚生科学審議会・疾病対策部会難病対策委員会が難病対策の改革について中間案を取りまとめたことに伴い、小児慢性特定疾患児への支援の在り方も検討するため設置された。成人移行(トランジション)の観点から難病の成人医療機関との連携も重要課題に位置付ける。
1974年に制度として創設された小児慢性特定疾患治療研究事業は、2005年に児童福祉法を根拠として法制化された。医療費助成は対象514疾患(約10万9000人)に対し、12年度は129.5億円を充てた。しかし、治療研究事業の仕組みに含まれ予算上の位置付けは「科学技術振興費」名目で、政治的判断で見直しができる裁量的経費であるため財政に左右されてしまう恐れがある。将来にわたり安定的な財源の確保を目指す。
また、医療費助成の対象となる医療を行う指定医療機関について?医療アクセスの良さ?医療の質の確保―の両面から検討していく。医療アクセスの観点からは、原則として患者が現在かかっている医療機関を引き続き指定する方向で議論されている。医療の質の観点では、小児中核病院や地域小児医療センターなどを「小児慢性特定疾患専門医療機関(仮称)」とし、指定医療機関やトランジションを踏まえた成人の医療機関と連携していく医療体制が想定さ
れている。
医療費助成の仕組みを変えるため、医療費助成の根拠となっている児童福祉法の改正を目指すが、大人の難病対策の14年度の法施行が決まったため同時期に成立させたい考え。(2/1MEDIFAXより)