【小児在宅】小児の在宅療養支援、全国展開に取り組む/厚労省・佐々木室長  PDF

【小児在宅】小児の在宅療養支援、全国展開に取り組む/厚労省・佐々木室長

 厚生労働省医政局指導課の佐々木昌弘・在宅医療推進室長は3月6日、医療必要度の高い小児患者の在宅療養を支える体制の全国展開に取り組む考えを示した。厚労省は新生児集中治療室(NICU)に入院して人工呼吸器が外せない小児患者でも在宅療養ができるように支える体制を検討するためのモデル事業を2013年度に実施しており、その報告会の挨拶で、今後の方向性として小児の在宅療養支援の全国展開を打ち出した。

 佐々木室長は、社会保障審議会・医療部会が13年末にまとめ、今国会に提出した医療・介護一括法案につながった報告書に言及し、「20ページのうち在宅医療については4ページを割き、小児在宅については現在実施しているモデル事業を引用している」と説明。「厚労省は目下、一括法案が成立するよう全力を尽くすが、その先の視野には、小児在宅の全国展開がある」と述べた。「現在、地域包括ケアの定義は“高齢者が住み慣れた地域で”ということが強調されているが、高齢者だけでなく、広く国民が日本で生まれて良かったと言えるために必要な考え方だ」とも述べた。

 小児在宅のモデル事業は現在、8都県が取り組んでおり、厚労省は実施主体となる都道府県をあらためて公募した上で、14年度も同様の事業を実施する予定。

●全国共通のサービス提供が必要/成育医療センター・中村氏
 報告会では、国立成育医療研究センター総合診療部在宅診療科の中村知夫医長が、医療必要度の高い小児患者の在宅療養を支えるため、全国共通のサービス提供を目指すべきと提言した。中村氏は同モデル事業の進捗状況管理や実施効果などを評価する役目を担う。8都県を直接訪問した上での評価結果に対する見解などを示し、「例えば何か1つのサービスを使うにしても市町村によって対応に差がある、都道府県によっても違うとなると大変だ。『このサービスは全国どこでも受けられる』というように統一化すれば取り組みやすくなるのではないか」と述べた。さらに、「小児患者への対応をある程度、普遍化する必要がある。現在は一つ一つ(個別で)対応する手作り感が強く、(取り組む人が)皆疲れてしまう」との見方も示した。(3/7MEDIFAXより)

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