【小児在宅】在宅医療、NICUからの移行を支援/厚労省  PDF

【小児在宅】在宅医療、NICUからの移行を支援/厚労省

 厚生労働省は在宅医療推進の新たな取り組みとして、新生児集中治療室(NICU)に入院して人工呼吸器を外すことができないケースなど、医療必要度の高い小児患者が退院後に在宅療養へスムーズに移行できる体制整備を進める。総合周産期母子医療センターやNICUを設置する病院から在宅に移行するモデルを構築するための費用を補助する。2013年度予算案に1億7000万円を計上し、都道府県を事業主体に全国8カ所程度で実施することを想定する。

 厚労省は在宅医療推進に向け、11−12年度は医療・介護の関係機関や従事者が地域の中で連携して多職種協働で在宅療養を支援する体制の構築を進めてきた。13年度はNICUのある病院など小児患者に高度な医療を提供する医療機関まで連携対象を拡大できる新たな仕組みを検証する。在宅療養に移行した後のかかりつけ医との連携の調整、療養上の助言などを行う相談支援体制の整備などの取り組みを構想している。厚労省はそのためのスタッフ配備に必要な人件費や医療と福祉関係者が集まるための会議費、研修費用などを補助する。

 NICUからの退院については、08年厚生労働科学研究「中間施設としての小児救急・慢性呼吸循環管理病室の在り方の検討」で、長期入院する人工換気患者の6割は在宅医療に適応がありながら、在宅医療や福祉の関係機関との連携が不十分で退院できないことが明らかになった。また、厚労省医政局指導課が09年に行った調査で、総合周産期母子医療センターのNICUが満室で新患の受け入れができなかったことのある施設が全体の9割を超えるなど、NICUの長期入院の解消が検討課題となっていた。

 厚労省医政局指導課在宅医療推進室は、家族のレスパイトケアや障害支援サービスを提供する福祉関係者との連携も在宅医療推進に向けた検討課題に挙げている。(2/7MEDIFAXより)

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