【専門医】「総合診療専門医」でおおむね一致/専門医あり方検討会  PDF

【専門医】「総合診療専門医」でおおむね一致/専門医あり方検討会

 新しい専門医制度の導入に向けて議論している厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」(座長=久史麿・日本医学会長)は12月26日、総合的な診療能力を有する医師の名称を「総合診療医」とすることでおおむね一致した。専門医としては「総合診療専門医」となる方向。ただ、一部の構成員からは名称に「科」を付けて「総合診療科医」にすべきとの意見も上がった。これまでの議論は「総合医」と「総合診療医」を併記していた。

 同検討会で構想している新しい専門医制度は、「総合内科専門医」「外科専門医」など計18の基本領域でいずれかの専門医資格を取得した上で、より専門領域に特化した「循環器専門医」「血液専門医」などのサブスペシャルティ領域の専門医資格を取得する二段階制。総合的な診療能力を有する専門医の資格については、19番目の基本領域とする方向性で一致している。定義については、同検討会が8月に公表した中間まとめで「頻度の高い疾病と傷害、それらの予防、保健と福祉など、健康にかかわる幅広い問題について、わが国の医療体制の中で、適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供できる医師」と例示している。

●「他の基本領域とは少し違った形に」/池田構成員
 会合では、これまで「総合医」「総合診療医」を併記してきた名称の統一について議論した。池田康夫構成員(日本専門医制評価・認定機構理事長)は、同機構の「総合医(仮称)に関する検討会」では「総合診療専門医」とすることで一致していると説明した。新しい専門医制度での「総合診療専門医」の位置付けについては、基本領域の他の専門医資格を取得した後に「総合診療専門医」を取得したり、他の専門領域で活躍した後、将来的に「総合診療専門医」に移行したりすることなどを想定して研修プログラムなどを検討する必要があると指摘。「他の基本18領域とは少し違った形とする必要がある」と述べた。

●「総合診療“科”専門医が分かりやすい」/山口構成員
 一方、山口徹構成員(虎の門病院長)は「ぜひ新しい基本領域として『総合診療科』を設ける議論をしてほしい」と述べ、「新しい診療領域の専門医なので、学生のときから『総合診療』のイメージを持ってもらうことが必要。(標榜科を念頭に)“科”がある方がイメージしやすい」と指摘。他の基本領域は全て「○○科」となっていることなどからも「総合診療科専門医」を提案した。

 この意見に対し、金澤一郎座長代理(国際医療福祉大大学院長)や小森貴構成員(小森耳鼻咽喉科医院長)は、標榜科の問題は今後しっかり議論する必要があるとした上で、標榜科ではなくまずは新しい概念の専門医資格について具体化するべきとの考えを示した。最後は久座長が「どういう科を付けるかはまた別の問題」と指摘し「厚労省とも相談する」と引き取った。(12/27MEDIFAXより)

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