【審査支払】審査支払の統合、慎重意見多数で議論終結/医療保険部会
社会保障審議会・医療保険部会は5月24日、審査支払機関の在り方に関する議論を締めくくった。厚生労働省が統合によるコスト削減の試算を示したほか、支払基金と国保中央会が両審査支払機関の取り組みを説明。拙速な統合に慎重な姿勢を示す意見が大勢を占める状況に変化はなかった。衆院決算行政監視委員会が2011年12月に採択した決議では6カ月以内に状況を報告するよう求めており、政府は、報告手順などが示され次第、対応する見通しだ。
厚労省保険局が示した統合によるコスト(人件費、物件費、システム費)削減試算によると、国保連に支払基金を統合した場合、初年度に68億円のコスト増となるが、徐々にコスト削減効果が表れ、14年目には累積920億円のコスト削減になる。支払基金に国保連を統合する場合は、初年度に64億円のコスト増となるが、14年目には累積826億円のコスト削減になるとした。ただ、統合する場合は、保険者や医療機関のシステム改修などに相当の費用が必要になる見込みとしている。
一方、統合せずに各自で業務合理化に取り組んだ場合、両者が本格的にコスト削減の取り組みを始めた11年度から14年目の24年度に累積1082億円の削減になるとした。(5/25MEDIFAXより)