【孤立死】「多死社会」に対応した診療報酬改定必要/医療課・井上企画官  PDF

【孤立死】「多死社会」に対応した診療報酬改定必要/医療課・井上企画官

 厚生労働省保険局医療課の井上肇企画官は10月20日、東京都内で開かれた全国医療法人経営セミナーで講演し、今後の高齢社会の進展で社会保障改革と診療報酬は「在宅医療」「地域性」がキーワードの一つになっていくとの考えを示した。「“多死社会”の中で、日本の医療がどう対応できるのか。2025年に向け、われわれが考えないといけない社会保障改革の一つのテーマ」とも語った。診療報酬改定については、「中医協で議論されるべきもの」と前置きした上で、在宅医療のほか、医療需給量や高齢化率の地域格差が引き続き課題になる可能性を示した。

 在宅医療については、12年度の診療報酬改定でも一定の強化策が導入されている。井上企画官は「2012年の年間死亡者数は約125万人、40年には170万人近くに達する推計だが、病院・施設での死亡者数を大幅に増やすことはできないと予測されている。患者・家族の意向を踏まえれば、在宅・地域での看取りが相当程度増えることになるのではないか」と説明した。

 その上で「戦後、多数の患者を自宅で看取っていた時期の在宅医療と、これからの在宅医療は異なる側面がある」とし、「終末期の迎え方も変化していく中で、在宅医療そして地域医療の在り方も変わっていくだろう。今後も日本の医療と介護をいかに守っていけるか、社会保障改革および診療報酬改定の中で取り組んでいく」とし、在宅医療は25年以降も見据えた制度設計が必要と強調した。(10/23MEDIFAXより)

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