【孤独死】厚労省が孤立死対策強化へ/30−40代同居家族全員死など受け
厚生労働省は、30−40代を含む家族全員が孤立死に至ったケースなどが報告されていることを受け、孤立死の発生を未然に防止するための対策を強化する。5月8日の「安心生活創造事業推進検討会」(座長=和田敏明・ルーテル学院大大学院教授)で方針を示した。孤立死対策として、地域ネットワークの構築やコミュニティーを活用するなどの先進的な取り組みを行う市町村には、地域福祉等推進特別支援事業や安心生活創造事業として、国庫補助を優先的に充てることも検討している。
孤立死についてはこれまで、高齢者のみの世帯や障害単身世帯をハイリスク対象者と位置付けて対策を練ってきた。一方、2012年に入って、30−40代の比較的若い、世帯の生計中心者や介護者などを含む家族全員が死亡している状態で発見されたケースが複数報告されている。
このような事態を受け厚労省は、孤立死対策として、自治体の福祉担当部局への情報の一元化を求める通知を出したほか、高齢者団体・障害者団体などの関連団体や民生委員に福祉担当部局との連携強化を求める通知を発出している。
5月8日の会合で厚労省は、孤立死対策における不十分な点や課題として▽高齢・障害・児童などの各種支援制度、分野横断的・総合的な対策▽関係部局・省庁間や行政とライフライン事業者など、行政内外の連携▽地域住民のコミュニティー・ネットワーク―の3つを挙げ、これから具体策の検討に入ると説明。個人情報保護の適用外の理解促進や、各市町村が取り組む孤立死防止対策の事例紹介などが必要との認識も示した。(5/9MEDIFAXより)