【地域支援病院】地域支援病院と特定機能病院、14年4月にも要件見直しへ
地域医療支援病院と特定機能病院の新しい承認要件が、最速で2014年4月1日に施行される見通しとなった。要件見直しについて議論していた厚生労働省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大教授)が12月25日に報告書を取りまとめた。まとまった内容は法改正が不要なため、厚労省は省令と通知の改正で対応する。両制度とも、新要件案についてのパブリックコメントの募集を経て施行となる。報告書は議論を反映させる細かな字句修正後、早ければ年内にも公表する。
新要件施行後、現在承認を受けている地域医療支援病院が新要件を満たせない場合は、都道府県に2年程度の改善計画を提出し、改善が見られなければ承認取り消しも含めた取り扱いが検討される。特定機能病院は、新要件施行が14年4月1日の場合、同10月5日が要件適合状況を確認する業務報告書の提出期限となる。
●地域支援病院、紹介・逆紹介率と救急搬送で新基準
地域医療支援病院については、紹介・逆紹介率の算定式を「紹介率=紹介患者数/初診患者数」と「逆紹介率=逆紹介患者数/初診患者数」に改めた上で、基準は▽紹介率80%以上▽紹介率65%以上かつ逆紹介率40%以上▽紹介率50%以上かつ逆紹介率70%以上―のいずれかとする。
新たな要件として救急搬送患者受け入れ数も設定する。基準値は「救急搬送患者数/救急医療圏人口×1000≧2」か「医療機関の年間救急搬送患者受け入れ数≧1000」のどちらか。救急計画に位置付けられている24時間体制の医療機関が、この基準値を満たしていない場合、▽医療計画を踏まえた救急医療確保の観点▽小児科などの単科病院の場合は地域医療確保の観点―から、知事が適当と認めれば要件を満たしていると見なす。
このほか「地域の医療関連職種が対象の研修を年12回以上主催」も要件となる。
●特定機能病院、「領域特化」は別要件
特定機能病院については、16診療科を標榜する場合と、特定領域に特化した病院とで別の要件を定める。16診療科を標榜する場合は▽医師配置基準の半数以上が専門医▽「紹介率=(紹介患者数+救急搬送患者数)/初診患者数≧50%」「逆紹介率=逆紹介患者数/初診患者数≧40%」▽年間の英語論文70件以上▽臨床研究を調査審議する倫理審査委員会設置▽利益相反(COI)に関する規定の策定やCOI委員会の設置など必要な措置▽年間30人以上の研修受講者に対し研修統括者を配置―などを求める。特定領域に特化の病院は、10診療科以上標榜などの要件を満たした上で「極めて先駆的な診療」を実施していることなどを社会保障審議会で審議し承認する。(12/26MEDIFAXより)