【地域ケア】次の検討課題は要介護度改善の評価/前老健局長・宮島氏
前厚生労働省老健局長の宮島俊彦氏は10月27日、東京都福祉保健財団が東京都内で開いたシンポジウムに登壇し、介護保険制度の見直しに向けて、介護サービス利用者の要介護度が改善したケースを介護報酬で評価できるか具体的な検討に入るだろうと見通した。
現在の介護報酬は、同じ介護サービスでも利用する人の要介護度が高くなるにしたがって報酬額も高くなるため、サービス利用者の要介護度が改善するよりも悪化した方が事業者はより高い介護報酬をもらえることにもなる。シンポジウムでは、介護サービス利用者の要介護度が改善した場合に、事業者が成功報酬を得られる仕組みについて独自に検討している自治体の取り組みが話題になった。宮島氏は「制度やシステムを考える立場では、次にやるのはこれ」と指摘。これまではデータが少ないため検討できなかったとする一方、介護保険制度創設から10年以上が経過し、要介護度と介護サービスの関係を検証するデータも蓄積しつつあるとの見方を示した。(10/30MEDIFAXより)