【地域ケア】地域包括ケア推進「保険者の役割が柱」/厚労省が市町村セミナー  PDF

【地域ケア】地域包括ケア推進「保険者の役割が柱」/厚労省が市町村セミナー

 厚生労働省は10月26日、市町村職員を対象に「地域包括ケア実現に向けた保険者の役割について」と題したセミナーを開いた。挨拶した厚労省老健局介護保険計画課の高橋俊之課長は「地域包括ケアを推進するためには、保険者の役割を発揮することが大きな柱になる」と述べ、保険者である市町村に協力を求めた。

 高橋課長は保険者の役割について「無駄な給付を抑制し、必要なサービスを提供すること」とし、そのためにはインフォーマルなサービスも活用する必要があると述べた。

 サービス見込み量をより精微に把握する手法として厚労省が開発した「日常生活圏域ニーズ調査(ニーズ調査)」について、「保険料設定に使用できるだけでなく、地域にある資源を考える材料にもなる」と述べ、活用を推奨した。

 厚労省老健局振興課の岡島さおり地域包括ケア推進官からは、地域の課題を把握する手段として「地域ケア会議」について説明があった。岡島推進官は「地域ケア会議で取り上げる個別の事例から地域の課題把握へつなげてほしい」と市町村に求めた。

●ニーズ調査の反映事例を報告
 ニーズ調査を施策に反映した市町村から報告があった。千葉県松戸市では、ニーズ調査を実施した結果、要支援・要介護認定者の中にも生活機能が高い人が多くいることや、認定されていない人の中に介護が必要な人がいることが分かった。この結果を、計画策定時の要支援・要介護の認定者数やサービス見込み量に反映できたという。

 新潟県長岡市からは、ニーズ調査によって地域住民が求める介護予防事業を把握でき、実際に企画につなげたことが報告された。(10/29MEDIFAXより)

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