【在宅医療】在宅療養患者も看取りは病院で/日医・三上常任理事  PDF

【在宅医療】在宅療養患者も看取りは病院で/日医・三上常任理事

 日本医師会の三上裕司常任理事は2月13日、医療関連サービス振興会が東京都内で開いたシンポジウムで講演し、高齢者が急増する2025年に向け、在宅療養体制を強化しながら、病床の回転率を高めて最期の看取りの場面は病院が引き受ける体制構築が必要との考えを示した。

 三上常任理事は、年間死亡者数が増加する中で病床数を増やさず対応するためには「病床の回転を速めていく必要がある」とし、在宅療養者についても「最期の看取りは病院を利用できるようにすべき」との考えを示した。「自宅での看取りの希望が多いということがよく示されるが、家族の視点では、自宅で療養しながら一番最後の看取りは病院の方が満足度が高いというアンケート結果もある」とし、「最期の看取りで医療機関に数日間なり入院していただくことは別に悪いことではない。それが国民の一番の願いではないか」と述べた。「核家族化で、(以前のような)大家族でずっと祖父や祖母が亡くなっていく姿を見続けているわけではない。そういうことを経験していない人たちが自宅で看取ることにはかなりの苦痛が伴うのではないか」とも述べた。

 厚生労働省医政局指導課在宅医療推進室の平子哲夫室長は同シンポジウムで、在宅療養を推進する国の施策として看取りの場所を限定するような意図はないとした上で「どういう形で最期の場所を迎えることができるのかなどについて議論する必要がある」とし、社会保障制度改革国民会議の議題の一つにもなっていると説明した。

 国民会議の設置根拠となっている社会保障制度改革推進法では、社会保障制度改革の基本方針として「人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること」と明記されており、終末期の在り方についても議論する予定だ。(2/14MEDIFAXより)

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