【国民会議】道州制前提の医療保険改革を提案/国民会議で経済同友会
社会保障制度改革国民会議は2月19日、▽経団連▽経済同友会▽日本商工会議所▽連合−の4団体から社会保障制度改革について意見を聞いた。経済同友会が都道府県を道州単位に再編・統合することを前提とした医療保険制度の再編・統合を提案するなど、具体的な提案も目立った。
経済同友会は、同会が2010年4月に公表した提言書の内容に基づく医療保険制度改革や、介護保険の給付の対象を現行制度の要介護度2以上とすることなどを提唱。医療保険制度については、都道府県を道州単位に再編・統合し、74歳以下の医療保険制度と75歳以上が対象の「新・高齢者医療制度」とする案を示した。74歳以下が対象の医療保険制度は、財源が保険料7割と自己負担3割。新・高齢者医療制度の財源は税7割と自己負担3割とし、保険料や現役世代からの「拠出金」などは財源としない。
提案内容を説明した同友会の伊藤清彦常務理事は「特に65歳以上高齢者の受益と負担のバランスを明確にし、中福祉中負担を目指すべき」と述べた。
●「受診時定額負担など検討を」/商工会議所
日本商工会議所は「社会保険方式」を基本に、不足分を公費で賄うべきとし、受診時定額負担の導入など、財源確保策の検討を求めた。医療保険制度については窓口負担の見直しや後発品のさらなる使用促進が必要と指摘。介護保険制度についてはサービス給付の適正化として生活援助サービスの適正化が必要との見方を示した。
経団連は、医療保険制度と介護保険制度の財源として税投入の割合拡充を求めた。また、サービス給付の重点化・効率化の一環として、予防医療の充実によって健康寿命を延伸させQOL向上を図り、医療・介護給付費の軽減を目指すべきと主張。斎藤勝利副会長は「将来世代にツケを回すことのないよう、現役世代が給付の適正化を含む厳しい改革を甘受する必要がある」と述べた。
●連合は「退職者健康保険制度」を提唱
連合は医療保険制度に関して、被用者保険の加入者が退職後も加入を継続できるようにする「退職者健康保険制度(仮称)」の創設を提唱。介護保険の給付対象を全年齢に拡大し、被保険者の範囲は医療保険加入者と同じにすることも提案した。
●総報酬割は4団体とも反対
現在3分の1が総報酬割となっている後期高齢者支援金の現役世代負担分を全面的に総報酬割とすることや、介護保険制度で40−64歳の第2号被保険者が負担する保険料に総報酬割を導入することについては、4団体とも反対を表明。「保険料率を低くするための努力をしなくなる恐れがある」(経済同友会)などの意見が上がった。(2/21MEDIFAXより)