【国民会議】医療提供体制改革、診療報酬か補助金か/国民会議で問題提起  PDF

【国民会議】医療提供体制改革、診療報酬か補助金か/国民会議で問題提起

 4月19日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議では、権丈善一委員(慶応大教授)と高橋泰・国際医療福祉大大学院教授が共同でプレゼンテーションし、医療提供体制の改革には診療報酬による誘導よりも補助金を活用する方が効果的だと問題提起した。増税した消費税収を財源に「地域医療・包括ケア創生基金」をつくり、改革の実行可能性の高い地域に重点的に財源を付けるなどの内容だが、遠藤久夫委員(学習院大経済学部長)は、診療報酬による誘導と医療法による誘導を連動させることが現実的との見方を示した。

 権丈委員は、社会保障・税一体改革による消費増税分の財源を医療・介護に回すには、提供体制をどう改革するかの絵を描かねばならないと指摘。改革に使う消費税収の使い方には診療報酬と補助金があるとし「これまで、診療報酬ではなかなかうまくいかなかった」と述べた。今後は消費税を財源とした基金を造成し、地域医療計画と地域包括ケア計画を踏まえて資金の重点配分をすべきと主張。その際「地域医療・包括ケアデータ解析専門チーム」を立ち上げて、各地域の医療需要や医療資源など、改革に必要なデータの収集・分析をすることが重要とした。

 遠藤委員はそれに対し「補助金政策での誘導に反論はしない」と前置きした上で「診療報酬による誘導は強力すぎるくらい強力」という現実論を展開。同時に「全国一律の診療報酬では地域偏在の解消はうまくいかない」という弱点も語った。

 地域偏在の是正につながる可能性があるのは、地域医療計画を内包する医療法との連携だとし「改革を進めるには、まず診療報酬による誘導策をできるだけ使い、その間に地域医療計画と連動させていくという仕組みをつくり上げるのが現実的」と述べた。(4/22MEDIFAXより)

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