【国民会議】全医師が日医へ加入を/国民会議で今村副会長  PDF

【国民会議】全医師が日医へ加入を/国民会議で今村副会長

 日本医師会の今村聡副会長は3月27日の社会保障制度改革国民会議に出席し、医療政策について国民に理解を求めるためにも、地域医療を担う医師全員が加入する組織が必要と提言した。世界医師会が認める日本の医師団体は日医だけと説明し、日医への全医師の加入について「何らかの形を考えていきたい」との方針を示した。

 大島伸一委員(国立長寿医療研究センター総長)から、医療関係団体が医師の偏在解消などの施策を積極的に打ち出すべきと提言を受けた今村副会長は、地域の医師の意見集約と施策の実行のために日医への全医師の加入を提案。「全ての医師が日医に加盟し、行政と地域の声を聞くことで、その地域にどれくらいの医師数が必要か言えるようになる。そうでなければ既得権益を守るためと誤解されてしまう」と述べた。

 日本精神科病院協会の山崎學会長が問題提起した自由開業制の見直しに対しては、過去に医師会が開業に一定の制限をかけていたことがあると説明し、現在は「職業選択の自由」などの理由で制限するのは難しいとの見解を示した。ただ、個人的な考えとした上で「同じ診療科の診療所が集まっている状況をよしとはしていない。今後、提言していかなければいけない」と述べた。

●国民への啓発も必要
 権丈善一委員(慶應大商学部教授)が意見を求めた医療のフリーアクセスについては「問題が生じているのは確か」との見解を示したが、強制的なゲートキーパーの仕組みには反対。「緩やかなゲートキーパーとしてかかりつけ医がいる」と述べ、地域の開業医が担っているかかりつけ医機能を評価すべきと提言した。日本の医療制度が海外から高い評価を受けている事実を国民に啓発する必要もあるとした。

 病診連携については「病院経営が医療連携だけで成り立つような診療報酬にしてもらわなければならない」と指摘。「高齢者はかかりつけ医と病院の専門医が2人で連携しながら医療を行っていく。通常の医療はかかりつけ医が行い、病院の専門医がフォローアップする形にすればよい」と述べた。(3/28MEDIFAXより)

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