【国民会議】介護は「2号保険料」「利用者負担」で議論/国民会議
12月7日の社会保障制度改革国民会議は、厚生労働省社会保障審議会・介護保険部会長の山崎泰彦委員(神奈川県立保健福祉大名誉教授)の報告に基づき、介護分野についても議論した。委員からは、40−64歳の第2号被保険者が負担する保険料(介護2号保険料)に総報酬割を導入すべきとの意見が複数上がった。介護サービスを利用する際に支払う利用者負担について、一定以上の所得がある人の負担の引き上げを検討すべきとの意見も上がった。
介護2号保険料については、なぜ総報酬割を導入していないのかとの質問があり、山崎委員が、総報酬割を導入した場合、財政支援として協会けんぽへの国庫補助分を健保組合が肩代わりするような図式になると説明。ただ、「結果的に健保組合全体の負担は増えるが、健保組合の中でもかなりの保険者で負担減になると思う」との見方も示した。
介護サービスを利用する際に支払う1割の自己負担に関しては、遠藤久夫会長代理(学習院大経済学部教授)が個人的シミュレーション結果による分析とした上で、自己負担があるために所得の高い人の方が介護サービスを多く利用できると指摘。その上で「不平等だと思う」と述べ、要介護度別かつ所得階層ごとのサービス利用状況のデータを基に議論すべきとした。これに対し厚労省の原勝則老健局長は、現時点で該当する資料があるかどうか不明とした上で「出せるか調べたい」と引き取った。(12/10MEDIFAXより)