【国民会議】「薬価下げ財源、本体に回さぬよう」/健保連、国民会議で提示
社会保障制度改革国民会議は4月4日、健保連、協会けんぽ、国保中央会、全国後期高齢者医療広域連合協議会の4団体を交えて議論した。健保連は提出資料の中で、診療報酬本体の改定率を、賃金・物価動向や医療保険財政の状況を踏まえたものにすべきと主張。薬価改定で生じる財源は診療報酬本体の引き上げに使わず、確実に国民に還元するよう求めた。
健保連は医療費適正化の必要性を打ち出し、薬価改定財源を本体に回さないことを求めるなど、診療報酬の抑制が必要との姿勢を見せた。医療の効率化・重点化を目指した診療報酬改定にすべきで、保険収載の判断や報酬・価格を決める際に、費用対効果による評価を反映させるべきとした。医療費適正化には後発医薬品の使用促進やスイッチOTCの推進が必要との立場も示した。
会議後に記者会見した遠藤久夫委員(学習院大経済学部教授)は「時間が限られていたので、具体的に診療報酬の在り方には触れていないし、やりとりもない。ここに書かれている内容は、健保連が中医協などでおっしゃっている内容だと私は理解している」と述べた。
健保連は医療提供体制にも言及。病院・病床の機能分化を進め、身近な医療機関で総合的な視点に立ち診療する「総合診療医」を早期に養成すべきと提案した。平均在院日数の短縮を実現するために、診療報酬上の評価見直しが必要との見方も示した。
協会けんぽは資料の中で、国庫補助率を法律本則の上限20%に引き上げることや、70−74歳の窓口負担を法律上の2割に戻すことなどを主張。国民会議に対して、消費税引き上げに伴う増収分を中小企業の加入者の医療保障に重点的に配分するよう要望した。
国保中央会は、持続可能な医療保険制度のため、将来的には医療保険制度の一本化が必要と指摘。当面は国保の都道府県レベルの広域化を進めるべきとした。
全国後期高齢者医療広域連合協議会は、国保の広域化に合わせて後期高齢者医療との一体的・安定的な運営を実現するため、国保財政の基盤強化が必要とした。(4/5MEDIFAXより)