【国保収支】国保は3022 億円、後期高齢も400 億円の赤字/11年度収支  PDF

【国保収支】国保は3022 億円、後期高齢も400 億円の赤字/11年度収支

 厚生労働省保険局は1月31日、2011年度の市町村国保と後期高齢者医療制度について財政状況(速報値)を公表した。市町村国保の単年度収支は前年度より改善するものの3022億円の赤字となり、引き続き厳しい状況にあることが分かった。後期高齢者医療制度を実施する都道府県広域連合の財政状況も単年度収支で400億円の赤字となり、2年連続の赤字となる見通しだ。

●国保保険者、収納率改善も46.6%が赤字
 保険料や国庫支出金、前期高齢者交付金などからなる市町村国保の収入は前年度比4.4%増の13兆7127億円となる一方、保険給付費などの支出は3.7%増の13兆4816億円となる。決算補填のための一般会計繰入金を除いた単年度収支は3022億円の赤字で、赤字額は前年度よりも879億円の縮減となるが、同局国民健康保険課は「依然として厳しい財政状況が続いている」としている。被保険者数は人口高齢化に伴う後期高齢者医療制度への移行などにより、前年度より29万人少ない3520万人となった。ただ、保険料収納率は減免措置対象者の拡大により前年度から改善傾向にあり、前年度よりも0.78ポイント増の89.39%となる。

 1717ある保険者のうち、単年度収支での赤字保険者数は前年度よりも5.8ポイント減ったものの、全体の46.6%に当たる800の保険者(市町村)が赤字となる見込み。

 国保での被保険者1人当たり保険給付費は3.6%増の25万4254円だった。

●後期高齢、2 年連続の赤字に
 都道府県後期高齢者医療広域連合の財政状況も2年連続の赤字となる見通しだ。単年度収入は保険料9073億円や国庫支出金3兆9219億円、後期高齢者交付金5兆1963億円などを合わせて12兆3817億円で、前年度に比べて4.7%増となる。このうち保険料収入は高齢化に伴う被保険者の増加などによって1.9%増となる。収納率も0.09%改善し、全国平均で99.20%となる。

 一方、単年度支出は3.6%増の12兆4224億円で、このうち保険給付費は12兆2948億円で前年度に比べて4.8%の増加が見込まれる。同局高齢者医療課は増加要因について、被保険者数と1人当たり保険給付費の増加によるものとしている。1人当たり保険給付費は1.78%増の84万4655円となる。

 単年度収支(経常収支)は407億円の赤字で、前年度国庫支出金などを精算した単年度収支では400億円の赤字となる。単年度収支の赤字は、95億円の赤字となった10年度に続き、2年連続となる。ただ、前年度からの繰越金などを反映した11年度の単年度収支は1094億円の黒字となる。(2/1MEDIFAXより)

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