【国会】薬価財源、フィクションはどちら?/財務副大臣と小池氏が応酬  PDF

【国会】薬価財源、フィクションはどちら?/財務副大臣と小池氏が応酬

 3月13日の参院厚生労働委員会では、2014年度の診療報酬の改定率決定過程で焦点となった薬価財源の切り離しをめぐり、小池晃氏(共産)と古川禎久財務副大臣の間で激しいやり取りがあった。

 まず、小池氏が14年度予算編成に向けた財政制度等審議会の建議をやり玉に挙げ「薬価マイナス改定分の診療報酬本体への振り替えを『合理性がない』『フィクションだ』と言っている。こういう指摘は初めてだ。この振り替えは、1972年の中医協の建議以来、国会の審議でも歴代の厚生相がこれを認める答弁をしてきた。これがどうしてフィクションなのか。財政審の建議こそフィクションだ」と批判。

 これに対し古川財務副大臣は、財政審の建議を引用しながら答弁。「薬価を直近の市場実勢価格に置き換える薬価のマイナス改定は、過大な予算要求の当然の時点修正であり、歳出としていまだ実現していないものの下方修正から何らかの財源が生み出されることはない。従って、診療報酬本体の増額に流用すべきとして、これを財源と考えることはフィクションである。このような主張と裏腹の関係にあるネット改定率の概念は、なくすべき」との建議に基づき、財務省として14年度診療報酬改定の対応を進めたと説明した。

 さらに、「ご指摘の中医協の建議、旧厚生相の国会答弁は、あくまでもその時点における要求省庁やその諮問機関のご意見が述べられたものに過ぎない」と切り返した。

 それでも小池氏は「今まで財務省だって『振り替えは駄目』と言ってこなかった」と反論。97年の消費増税時は、通常の改定年ではないのに薬価改定を行い、診療報酬を引き上げる財源にしたとし「これは財務省も認めてやったはずだ」と指摘した。さらに、「小泉内閣の時の骨太方針で(社会保障費の自然増を)2200億円削減した時も、薬価・材料費の引き下げ分960億円を計上している。これだって財務省は知っているはずだ。『薬価の引き下げは、市場実勢価格を上回る過大要求の時点修正だ』というのであれば、こんな扱いはできるはずがない」と非難した。

 古川財務副大臣も引き下がらずに反論。「ご指摘の72年の中医協の建議には『薬価調査は毎年4月を調査月として実施して、薬価の適正化を図るべき』との記載もある。中医協の建議やご指摘のあった旧厚生相の答弁、あるいは首相の答弁は、その時々の状況に応じて発言されたものだが、小池氏がご指摘になられた趣旨のものではない。事実の認識に齟齬があると思う」などと応じた。(3/14MEDIFAXより)

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