【国会】第183通常国会が閉幕/生活保護法改正案は廃案
第183回通常国会が6月26日に閉幕した。参院本会議では安倍晋三首相に対する問責決議を野党の賛成多数で可決したため、医療扶助の適正化を盛り込んだ生活保護法改正案などは廃案になった。
●生活保護改正法案、秋以降に再提出/廃案受け田村厚労相
田村憲久厚生労働相は6月26日、「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」が今通常国会で廃案になったことを受け厚生労働省内で会見に応じ、両法案の基本路線は維持したまま、秋以降に再度提出を目指す考えを示した。
田村厚労相は、野党を批判するつもりはないとした上で「ねじれ国会でなければ通っている。国民の生活にはマイナスだ。本当に残念」と述べた。会見後、記者団に対し「(民主党の)代表が、海江田(万里)さんがこういう法律は通したいという思いを言っていたが、ねじれの中でこうなってしまう」とし、「国民のためには安定した政治にならないといけない」と述べ、ねじれ国会解消に向けた次期参院選への決意をにじませた。(6/27MEDIFAXより)
●予防接種法など7法が成立/第183回通常国会
6月26日に閉会した第183回通常国会で、衆参厚生労働委員会による審議を経て成立した政府提出の法案は計7法だった。成立した法律は以下の通り。
▽改正予防接種法▽改正健康保険法▽改正戦没者等の妻・父母等に対する特別給付金支給法▽改正駐留軍関係離職者等・漁業離職者臨時措置法▽改正厚生年金保険法▽改正障害者雇用促進法▽改正精神保健福祉法。
このほか、マイナンバー制度関連3法案も成立した。
議員立法では、再生医療総合推進法や、脱法ドラッグ規制強化を目的とした改正麻薬向精神薬取締法・薬事法などが成立した。
●再生医療新法や薬事法など5法案は継続審議
一方、再生医療を促進するための薬事法改正案などは継続審議になった。これらは秋の臨時国会で対応を協議することになる。継続審議になった5法案は以下の通り。
▽薬事法改正案▽再生医療安全性確保法案▽介護従事者等人材確保特別措置法案▽アレルギー疾患対策基本法案▽医療機器研究開発促進法案。
参院では安倍晋三首相への問責決議が可決された影響で、生活保護法改正案と、生活困窮者自立支援法案の採決が見送られ、廃案になった。(6/28MEDIFAXより)