【国会】医療・介護一括法案、審議スタート/衆院本会議  PDF

【国会】医療・介護一括法案、審議スタート/衆院本会議

 4月1日の衆院本会議で、医療・介護の一括法案(正式名は「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」)の趣旨説明と質疑が行われ、重要法案の本格的な審議が始まった。

 「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年に向け、効率的で質の高い医療提供体制や地域包括ケアシステムを構築するため、医療・介護分野の法改正や制度改正が数多く盛り込まれた法案。医療界に及ぶ影響も大きく、主なものだけでも▽病床機能報告制度の創設や地域医療構想(ビジョン)の策定などを踏まえた医療機能の分化・連携の推進▽特定行為に関する看護師の研修制度の新設、診療放射線技師らの業務範囲拡大を通じたチーム医療の推進▽医療事故調査制度の創設▽新たな財政支援制度の創設―が挙げられる。

●「一括」の手法に野党の批判集中
 多くの制度改正を1つの法案に詰め込む手法への批判は根強く、当初は与党内からも「どさくさに紛れて、役所が重要な話をもぐり込ませようとしているのでは」といぶかる声が聞こえてきた。衆院本会議でも、この手法に対して野党議員からの批判が集中。「都合の悪い法案は1つにまとめてしまう今回のやり方に対して抗議する」(みんな・中島克仁氏)といった声が上がった。

●「一連のサービス、総合的に整備」/安倍首相
 これに対し、安倍晋三首相は「急速な少子高齢化のもとで、地域で安心して医療・介護サービスを受けられるようにするためには、急性期の医療から在宅医療・介護まで一連のサービスを総合的に整備することが必要」と答弁。多くの制度改正が盛り込まれていることについても、医療・介護の基盤整備のためには必要な内容だと力説した。

 「特定行為に関する看護師の研修制度」や「医療事故調査制度」が法案に盛り込まれていることについても、安倍首相は「医療に対する信頼が高まるとともに、安心して医療を提供できる環境が促進され、将来の医療従事者の確保にもつながっていく。また、在宅医療を支える看護師の確保・養成が図られることになると考えている」と強調。法案を早期に成立させるため、政府として丁寧に説明していく考えを示した。(4/2MEDIFAXより)

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