【参院選】先進医療の拡大「公的保険に影響ない」/安倍首相、党首討論で  PDF

【参院選】先進医療の拡大「公的保険に影響ない」/安倍首相、党首討論で

 安倍晋三首相は7月3日、日本記者クラブ主催の党首討論で、政府の規制改革実施計画に先進医療の対象範囲を大幅に拡大することが盛り込まれた点について「いわゆる混合診療だが、これは先端医療について範囲を増やしていくもので、今の公的医療保険制度には、ほとんど影響はないと言っていい」と強調した。

 生活の党の小沢一郎代表が「政府は『規制改革実施計画』で混合診療を拡大していくと打ち出していたが、これは結局、国民皆保険制度を崩壊させることになるのでは」と質問したのに対し答えた。

 規制改革実施計画は6月に政府が閣議決定した。その中で「保険診療と保険外の安全な先進医療を幅広く併用して受けられるようにするため、新たに外部機関などによる専門評価体制を創設し、評価の迅速化・効率化を図る最先端医療迅速評価制度(仮称)を推進することにより、先進医療の対象範囲を大幅に拡大する」としている。安倍首相は「先端医療の分野では(保険外併用療養が)相当拡大していく。これでかなり患者の需要が満たされると思っている」とも述べた。

●維新・みんなは「混合診療全面解禁」を主張?
 混合診療については、日本維新の会の橋下徹共同代表も構造改革に言及する中で「保険外併用療養費制度は後に保険適用させることが前提になっているが、自由診療を拡大していこうというのが混合診療の解禁だ」などと述べ、全面解禁に積極的な姿勢を示した。「混合診療の解禁」を掲げるみんなの党の渡辺喜美代表も「電力、農業、医療の3分野は成長分野でありながら成長できていない」と批判した。

 党首討論では環太平洋連携協定(TPP)にも話題が及び、小沢氏は「皆保険の崩壊を招きかねない」と懸念を表明。安倍首相は「TPPにおいて『混合診療を進めなければいけない』ということになっていない」と説明した。

●高齢者の2割負担「理解進むことが重要」
 一方、安倍首相は70歳から74歳までの高齢者の医療費の自己負担割合について「本則は2割だが、対象者を含めて高齢者の混乱が起きないよう理解が進むことが重要だ。だんだん理解は進んできたのかと思うが、(本則に戻す時期を)適時適切に判断していきたい」と述べた。(7/4MEDIFAXより)

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