【厚労白書】テーマは初の「若者」、社会保障に不安も/13年版厚労白書
政府は9月10日、2013年版厚生労働白書を閣議決定した。若者を取り巻く社会経済の変化を背景に、第1部のテーマには「若者の意識を探る」を掲げた。厚労白書で個別テーマに「若者」を設定したのは初めて。若者を対象に実施した意識調査では、日本の未来について財政悪化や社会保障制度に不安を感じている人が多かった。
白書には、若年層(15−39歳)を対象にした意識調査の結果を盛り込んだ。調査は三菱総合研究所に委託して13年3月に実施したもので、3133人から回答を得た。
現状の生活への満足度を尋ねたところ、「満足している」が8.9%、「どちらかといえば満足している」が54.4%となり、約6割が満足している結果となった。
一方で、日本の未来に不安を抱く若者が多いという結果も出た。日本の未来は明るいかとの問いに対し、「(どちらかといえば)そう思う」は19.2%にとどまったのに対し、「(どちらかといえば)そう思わない」は45.1%で半数近くを占めた。そう思わない理由について複数回答で最も多かったのが「高齢化によって財政が悪化し、医療や年金等の給付額が下がったり、税金や社会保険料等の負担額が上がったりして生活が苦しくなる」で72.9%にも上った。その次に多かった回答が、「少子高齢化や新興国の台頭等によって、日本経済が停滞し、生活水準が下がる」で60.9%だった。
白書の第2部「現下の政策課題への対応」では、厚生労働省所管の施策を報告した。(9/11MEDIFAXより)