【医療関連団体】看護団体も結集、リハ医療を体系的構築へ/関連団体協  PDF

【医療関連団体】看護団体も結集、リハ医療を体系的構築へ/関連団体協

 リハビリテーション関連の問題を体系的に議論し、政策提言などを目指す「リハビリ関連団体協議会」は、新たに日本リハビリテーション看護学会などが参加することを承認した。日本リハビリテーション医学会の石川誠理事(回復期リハビリテーション病棟協会長)が4月30日、取材に答えた。これにより、リハ関連団体協は▽日本リハ医学会▽日本リハビリテーション病院・施設協会▽日本理学療法士協会▽日本作業療法士協会▽日本言語聴覚士協会▽回復期リハ病棟協会▽日本訪問リハビリテーション協会▽全国老人デイ・ケア連絡協議会▽看護団体(日本リハ看護学会、国際リハビリテーション看護研究会)─で構成することになった。

 リハ関連団体協は新たに4つの作業部会を設け、機動力を持って活動を進めることも決めた。作業部会は▽リハ医療のグランドデザイン作成部会▽地域包括ケアにおけるリハ検討部会▽報酬改定検討部会▽人材育成検討部会−で、10人程度の委員で各課題について検討を進める。

 石川氏は「高齢者以外に身体障害児者・難病・がん患者などを包括した今後のリハ医療に関するグランドデザインを作成していく。地域包括ケアシステムについては、リハの位置付けが明確になっていない部分を明確にしていくことを目的に検討を進める」と説明。人材育成については「PT、OT、STで20万人に近い有資格者が育った現在、最も重要なのは卒後教育体制の構築であり、その強化を図っていく。専門医制度への対応を含めている」とした。

●「維持期13単位」、廃止は時期尚早
 報酬改定検討部会については「リハは診療報酬と介護報酬にまたがっており、その整合性に留意して今後の改定に臨んでいく」とした。2014年の次期診療報酬改定に向けては、2013年夏までに改定事項をまとめる方針。重要な視点については「急性期病院におけるリハへの対応は二極化している。全くリハを行わない施設に比べ、充実している施設では成果が上がっていることから、急性期病棟ごとにPTなどの配置を評価する体系をつくってほしい。いわゆるチーム医療への評価といえる」とし、「回復期リハ病棟ではすでにPTなどの配置が行われている。障害者等の病棟を対象範囲に含めるかなど今後、さらに、詰めていく」と述べた。回復期リハ病棟のプロセスと成果の評価については、算定要件の厳格化を求めていくことも検討していくとした。

 維持期リハの「13単位」については「介護保険の短時間通所リハが普及していくには時間を要する。こうした現状を踏まえ、何らかの対応が必要ではないか。2014年の廃止は時期尚早だ」と述べた。2012年度改定では、要介護被保険者などに対する維持期リハは、介護サービスでの充実の状況などを確認した上で、原則として14年3月31日まで提供できるとされた。石川氏は「現場が動くにはもう一ひねり工夫が必要だ。検討部会でも協議していく重要な課題の一つだ」と位置付け、13単位継続の方向で要望していく方針とした。(5/1MEDIFAXより)

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