【医療関連団体】「日本長期急性期病床研究会」が発足/日慢協が呼び掛け
日本慢性期医療協会の呼び掛けで、ポスト急性期ケアの充実を目指す「日本長期急性期病床(LTAC)研究会」が4月末に発足した。9月29日に設立総会・研究大会を開く予定だ。日慢協の武久洋三会長が30日、取材で明らかにした。武久会長は、急性期処置が終わったポスト急性期ケア病床の確立は国内で喫緊の課題になっていると指摘し、「日本におけるLTACの概念、定義付け、病床機能分化の普及・定着へのロードマップの在り方などを、現場の医療者と有識者が一緒になって議論していこうという研究会だ」と説明した。
同研究会の会長には上西紀夫氏(公立昭和病院長)が就任する。副会長には有賀徹氏(昭和大病院長)、池端幸彦氏(日慢協副会長)、定光大海氏(国病機構大阪医療センター救命救急センター診療部長)の3氏が就く。幹事には堺常雄氏(日本病院会長)、小山信彌氏(東邦大特任教授)、田中滋氏(慶応大大学院教授)、武藤正樹氏(国際医療福祉大大学院教授)、川渕孝一氏(東京医科歯科大大学院教授)らが名を連ねている。日慢協が事務局を担当するが、日慢協傘下の研究会とは異なり、議論・研究の内容などは研究会主導で決める。
武久会長は「急性期治療が終了した後も、いたずらに長期間(2−3カ月)、高度急性期病院に継続して入院している例が多い。医療費の観点からも極めて問題が大きいと指摘されている。患者の回復を促進する日本独自のポスト急性期ケア病床の確立につなげていきたい」と述べた。
その上で「米国では『Short Term Acute Care(STAC)』の平均在院日数は約5日間。その後、ポスト急性期ケアの継続治療が必要な場合に、LTACで治療する流れで、その平均在院日数は約1カ月とされている。日本の場合は、在宅療養中の慢性期患者の急性増悪にも対応できる病床機能の整備も期待されている」と話した。 (5/1MEDIFAXより)