【医療計画】医療計画PDCA支援ツール、14年春配布へ /厚労省研究会
厚生労働省は7月5日、「PDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会」(座長=尾形裕也・東京大特任教授)の初会合を開き、医療計画の評価を通じた継続的な改善(PDCAサイクル)を支援するツールの開発に向けた検討を始めた。2014年度早々にも「医療計画作成支援データブック」として都道府県に配布し、13年度からの5年間の医療計画について、1年目の状況を踏まえたPDCAサイクルを促す。14年春にも配布する支援ツールの形態は、冊子のほか電子ブックなどを想定する。
研究会の構成員は尾形座長のほか、奈良県立医科大の今村知明教授、国際医療福祉大大学院の高橋泰教授、産業医科大の松田晋哉教授の3人。
作成支援データブックは、都道府県が医療計画を策定するに当たって必要と考えられる統計情報を国が2次医療圏単位で集計・加工して提供することで、都道府県の作業負担を軽減し、現状分析に基づく実効性のある医療計画の策定と進捗状況の評価に結び付けるのが狙い。データブックに収載する内容として厚労省は、医療計画の基礎情報(人口、受療動向、医療機関の状況など)に関する▽都道府県、2次医療、市町村ごとの集計▽前回値との比較▽地理情報と突合した分析─などを示した。
PDCAサイクルの支援としては▽都道府県が将来の医療需要を見据えて医療計画を見直しできる将来推計データ▽個々の医療機関の医療機能を分析するためのデータ─も提供する。都道府県が独自にレセプトデータなどを分析できるような評価支援ソフトも開発する構想で、研究会では評価のための指標などを検討する。
●評価指標「可能な限り標準化」/梶尾課長
厚労省医政局指導課の梶尾雅宏課長は会合冒頭に挨拶し、社会保障制度改革国民会議でナショナルデータベースなどが有効活用されていないとの指摘があったと紹介し、「各種データベースから必要な情報を可視化して医療施策に使っていく」と説明した。医療計画に関する評価指標を可能な限り標準化し、都道府県が医療施策のPDCAサイクルを推進できるよう支援する考えも示した。(7/8MEDIFAXより)